青木が原樹海の幻の池「赤池」の西側300から400メートルほどの位置には、赤池溶岩樹形群という場所がある。溶岩関係の研究論文を見ていたら出てきたので、どんなものか行ってみた。溶岩樹形(ようがんじゅけい、溶岩樹型とも)については何度か書いているが、木が生えている場所に溶岩が流れてきたとき、溶岩が固まるまでは木は残っていたものの、その後に木が燃えたり腐った場合、木の形に穴が空いている状態のことを言う。木が立ったまま溶岩が流れてきた場合は垂直に穴が空くが、木が倒れた場合には横方向に穴が空くこともある。

「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
これはトンネル状になった溶岩樹形。高さ約60センチ程度。ビバークや雨宿りにも使えそうだが、国道に近いため普通に脱出した方が楽だ。


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
別アングルで。木は大きさから樹齢100~200年近い巨木だったのだろう。溶岩が流れてきた時代は、青木ヶ原樹海を作りだした平安時代の貞観噴火(864年~866年、貞観6年~貞観8年)によるものだ。この時の噴火と溶岩で「せの海」という湖が、現在の西湖と精進湖に分断された。現在の富士五湖は、もともとは富士四湖だったわけだ。ちなみに赤池の場所もかつて「せの海」があった場所と重なっているが、赤池溶岩樹形がある場所は、「せの海」の場所とはわずかに異なっている。元々ここは湖沿いの森だったのだろう。


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
元々の天井は上記写真のようにドーム型だったと思われるが、一部が崩落してしまうとこうした形になってしまう。


「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
変則的な溶岩樹形。倒れた木のところに、溶岩が覆いかぶさって出来た形と思われる。