奥多摩工業株式会社氷川事業所の工場群は、多摩川の支流である日原川に面し、奥地にある東京都奥多摩の氷川エリアから切り出した石灰石を加工している現役の施設だ。
山の斜面にそって、様々に建てられた建物やパイプなどが複雑にからみあい、不思議な情景を作り出している。
石灰が舞うためか、外壁は一面のグレーに染まっている。
上部の氷川エリアから掘り出した石灰石は、現在もこの工場までトロッコで運ばれている。かつてはさらにＪＲ（国鉄）の貨物列車が毎日運行していたが、現在は廃止されている。EF64電気機関車がドコドコとのどかに山間を走る貨物列車の情景も、今はなくなってしまった。
奥多摩湖（小河内ダム）の建設に使われた国鉄水根貨物線の日原橋梁。コンクリートアーチ橋、長さ46メートル。開通は昭和27年。往年はC10やC11蒸気機関車がセメントなどの物資輸送に活躍した。ダム建設後に、旅客用に使われる話もあったが、紆余曲折を経た上で挫折し、そのまま廃線となった。遠景で奥多摩工業の工場群とコラボ。