「そうだ樹海、行こう」   |←樹海|  ┗(^o^ )┓三
写真:とある米軍基地廃墟エリアに設置されていた謎のワナ

先日探索してきた、狭山丘陵の水道用地内で、飼い犬が捨てられていた話を、いつもウサギのえさを買っている、いきつけのペットショップの親父としてきた。この親父はペット屋なのに、いつも外交や戦争の話でもりあがるという、実に気のあう親父殿なので、ざっくばらんに憤りをぶつけてきた。

そうしたら、核心にせまる情報を伝えてくれた。
この狭山丘陵の水道用地は、ペットを捨てる人間にとっては有名スポットらしい。
手口としては、金網の上に鉄条網があるのだが、そこから放り捨てるとか。
こうした閉鎖された自然空間では、自然も豊富にあり、飼い主は運がよければ生き延びられると思うため、良心の呵責も少なく、気軽な気持ちで捨てるらしい。しかし、介護が必要なくらい弱った犬も平気で捨てるらしい。どうやって生きていけというのだろうか?

この水道用地は禁猟区だが、湖では大物も釣れるため、中には釣りのためこのエリアに入る人もいる。そういった人間が、このペットショップにも時々来るらしい。
その人の話だと、先日釣りをしていたら、30匹ぐらいの野犬の群れに囲まれ、大変恐ろしい目にあったという。

愛玩犬や老いた犬など、弱いものは淘汰され死ぬ。
しかし大型犬など強い犬は、グループを作り、完全に野生に戻って生活をしているらしい。エサはキジやコジュケイといった野鳥や、野ウサギ、ネズミ、タヌキなどだろう。生態系に与える、悪い影響を考えると、とてもぞっとするものがある。
しかしいくら自然が豊富とはいっても、鹿といった大型草食哺乳類もいるわけではなく、食料には限度があり、飢えた場合には、人を襲うことも十分にあるだろう。本気になった大型犬は一匹でも恐ろしい存在だが、それが群れになったら、はっきりいって手におえない。
ましてや自然化していれば、ノミやダニも付くだろうし、最悪狂犬病などの病気を媒介にしている可能性すらある。

いつのまにか、とても恐ろしい事態が進行しているようだ。
このエリアでの探索は、今後も続けていきたいと思っていたが、装備と武装に関しては根本から見直しを迫られる結果となった。

また「『自然が豊富な閉鎖エリア』によく犬が捨てられる」ということで、一つ気付いてしまったことがあった。
それは3月に仲間と探索してきた、東京某所にある米軍基地跡。
ここに、かなり大型の生き物をつかまえる用の檻を使ったワナが設置されていた。周囲は竹などでカモフラージュされ、地元自治体の駆除条例がらみの正式な用紙も貼り付けられていた。

檻の柵はかなり大きいもので、タヌキやアライグマなどは恐らくすり抜けられるぐらいのものだった。まるでイノシシや熊といった生き物を捕まえられるぐらいのものだったが、ここは住宅地と畑が混在する程度の郊外にある閉鎖空間。一体なんのためだろうと、ずっと心の奥底にひっかかっていた。

しかしこの話を聞いて、答えの想像がつく。
ワナの目的は野犬。しかもかなり大型の。
きっと誰かが捨てて、目撃情報もあるのだろう。

大型の廃墟空間は、フェンスや鉄条網で周辺から隔絶され、自然に戻りつつあるところも多い。しかしそれを悪用され、犬の捨て場として使われた場合、廃墟探索者にとっては危険極まりないフィールドとなってしまっていることも十分ありうる。

探索者は十分気をつけないと、恐ろしい結果を招くことにもなりかねない。