18日の日曜日、週末探検隊のzunnさんとMottyさんと念願の狭山丘陵探索をしてきた。ここは自分が中学生時代からホームグラウンドにしてきた自然環境だが、この場所については二人とも驚くほどの経験や知識を持っていて、全員が集結したら絶対に面白いことになると思い、呼びかけて探索することになったのだ。
今回の探索エリアは、図書館で調べた古地図の分析などから、廃道や廃寺社、集落、レーダー基地、高射砲陣地などの遺構が残っていることが想定される場所だ。しかし使われなくなってから70~80年近い時間が経過し、遺構は圧倒的な大自然に埋もれてしまっている。
その探索の結果は以下の通り。
道なき激藪の中を彷徨うこと、約6時間30分。
道なき激藪の中を彷徨うこと、約13km。
越えた山、7峰。
渡った川、16川。
※Mottyさん調べ。
ナビゲート的にも、体力的にも非常にハードなものだったが、新緑と咲き残った桜は美しく、天候にも恵まれ、遺構も自然調査もすばらしい収穫があった。ただしそんな探索の高揚感を地に叩き落すようなエピソードが一つだけあった。
それはあわれな捨て犬の存在だった。
場所はとある廃県道が、湖の中に消えようとしている場所。
草原の中で、小さな生き物が水につかっていた。
それは小さな愛玩犬。
両目はつぶれ、特に犬の右目は壊死のため腐臭を放ち、ハエが近くを飛び回っていた。
捕食性の生き物に襲われた結果だろう。
戦場の体験記などで、生きている人間が腐るということは知識としては知っていたが、実際に見るのは初めてであり、壮絶な印象だった。
足も引きずり、骨折していたのかもしれない。
長い毛には、杉の葉が複雑にからまりあい、取れないようになってしまっていた。
湖に呆然とつかっていたのは、まるで犬が絶望から死をただ待っているかのように思えた。
三人で対応を話あった結果、予備の食料を与えることにした。
自分は非常食で持ち歩いているソイジョイ。
Motty氏はかりんとう。
食べさせようとしたところ、歯がほとんど抜け落ちているため、うまく食べることができず、水につけたり、噛み砕いたりしてから与えた。
目は見えないため、匂いだけでしかものも認識できず、最初はおっかなびっくりだったが、食べるコツが分かってからはものすごい勢いで食べ始めた。途中からしっぽも振り始めたので、安心したのかもしれない。
しかし素人目にどう考えても、壊死は進み、最大限の努力を払ったところで死は免れない状況。ならばいっそ、苦しませずに殺した方がよいのかも、ということも頭をよぎった。
しかし自分の手から、舌を使ってぺろりと食べる際、その舌の力に驚いた。小さな生き物が持つ生命力は、この犬も、自分の息子も同じように感じた。
この犬は今は必死で生きようとしている。未来はどうであれ、その命を奪うことはできないと思った。
エサを与え、一通り食べさせた後で、自分たちはその場を後にした。
自分たちは探索が目的であり、道なき道を休まずに歩いたところで2時間はかかる山奥だ。この結論が良かったのかは分からないが、自分にはそれ以外の解決策は考えられなかった。エサも本来は与えてはいけないのだろうが、ただ与えずにはいられなかった、というのが正直な感想だった。
なぜ山奥にこの犬がいたか?
それは飼い主が犬を捨てた結果だ。
歯が抜け落ちていたことから、もしかしたら年をとったため捨てたのかもしれない(または栄養失調により、歯が抜け落ちてしまったのかもしれない)。
きっと元飼い主は、「たっしゃに暮らせよ」と思って自然の中に捨てたのかもしれない。
ただ愛玩犬なんてものは、人間がペットとして改良したものであり、過酷な自然の中で生きていけるはずがない。その結果はあのザマだ。
徹底的に過酷な死においこんでいるのは、それを見ないできれいなつもりになっているバカな元飼い主だ。
仮に自然の中で生きていけたとしても、様々な問題が発生する。
生きるためには自然の生き物を食べるなど、既存の生態系に悪影響を及ぼしてしまう。
また狂犬病など危険な病原菌を媒介にすることも考えられ、そうなると人間を死においやってしまう可能性すら出てくる。
どのみち人間と関わった「ペット」という存在は、最後まで人間が責任をもって飼うべきだ。
それができないなら、いっそ責任をもって安楽死させるべきだろう。
最後にこの犬の写真を掲載する。
まぎれもない現実だが、精神的にきつい写真なので、見たくない人は見ないでほしい。
こんな悲惨なペットが今後二度となくなることを心から願ってやまない。
今回の探索エリアは、図書館で調べた古地図の分析などから、廃道や廃寺社、集落、レーダー基地、高射砲陣地などの遺構が残っていることが想定される場所だ。しかし使われなくなってから70~80年近い時間が経過し、遺構は圧倒的な大自然に埋もれてしまっている。
その探索の結果は以下の通り。
道なき激藪の中を彷徨うこと、約6時間30分。
道なき激藪の中を彷徨うこと、約13km。
越えた山、7峰。
渡った川、16川。
※Mottyさん調べ。
ナビゲート的にも、体力的にも非常にハードなものだったが、新緑と咲き残った桜は美しく、天候にも恵まれ、遺構も自然調査もすばらしい収穫があった。ただしそんな探索の高揚感を地に叩き落すようなエピソードが一つだけあった。
それはあわれな捨て犬の存在だった。
場所はとある廃県道が、湖の中に消えようとしている場所。
草原の中で、小さな生き物が水につかっていた。
それは小さな愛玩犬。
両目はつぶれ、特に犬の右目は壊死のため腐臭を放ち、ハエが近くを飛び回っていた。
捕食性の生き物に襲われた結果だろう。
戦場の体験記などで、生きている人間が腐るということは知識としては知っていたが、実際に見るのは初めてであり、壮絶な印象だった。
足も引きずり、骨折していたのかもしれない。
長い毛には、杉の葉が複雑にからまりあい、取れないようになってしまっていた。
湖に呆然とつかっていたのは、まるで犬が絶望から死をただ待っているかのように思えた。
三人で対応を話あった結果、予備の食料を与えることにした。
自分は非常食で持ち歩いているソイジョイ。
Motty氏はかりんとう。
食べさせようとしたところ、歯がほとんど抜け落ちているため、うまく食べることができず、水につけたり、噛み砕いたりしてから与えた。
目は見えないため、匂いだけでしかものも認識できず、最初はおっかなびっくりだったが、食べるコツが分かってからはものすごい勢いで食べ始めた。途中からしっぽも振り始めたので、安心したのかもしれない。
しかし素人目にどう考えても、壊死は進み、最大限の努力を払ったところで死は免れない状況。ならばいっそ、苦しませずに殺した方がよいのかも、ということも頭をよぎった。
しかし自分の手から、舌を使ってぺろりと食べる際、その舌の力に驚いた。小さな生き物が持つ生命力は、この犬も、自分の息子も同じように感じた。
この犬は今は必死で生きようとしている。未来はどうであれ、その命を奪うことはできないと思った。
エサを与え、一通り食べさせた後で、自分たちはその場を後にした。
自分たちは探索が目的であり、道なき道を休まずに歩いたところで2時間はかかる山奥だ。この結論が良かったのかは分からないが、自分にはそれ以外の解決策は考えられなかった。エサも本来は与えてはいけないのだろうが、ただ与えずにはいられなかった、というのが正直な感想だった。
なぜ山奥にこの犬がいたか?
それは飼い主が犬を捨てた結果だ。
歯が抜け落ちていたことから、もしかしたら年をとったため捨てたのかもしれない(または栄養失調により、歯が抜け落ちてしまったのかもしれない)。
きっと元飼い主は、「たっしゃに暮らせよ」と思って自然の中に捨てたのかもしれない。
ただ愛玩犬なんてものは、人間がペットとして改良したものであり、過酷な自然の中で生きていけるはずがない。その結果はあのザマだ。
徹底的に過酷な死においこんでいるのは、それを見ないできれいなつもりになっているバカな元飼い主だ。
仮に自然の中で生きていけたとしても、様々な問題が発生する。
生きるためには自然の生き物を食べるなど、既存の生態系に悪影響を及ぼしてしまう。
また狂犬病など危険な病原菌を媒介にすることも考えられ、そうなると人間を死においやってしまう可能性すら出てくる。
どのみち人間と関わった「ペット」という存在は、最後まで人間が責任をもって飼うべきだ。
それができないなら、いっそ責任をもって安楽死させるべきだろう。
最後にこの犬の写真を掲載する。
まぎれもない現実だが、精神的にきつい写真なので、見たくない人は見ないでほしい。
こんな悲惨なペットが今後二度となくなることを心から願ってやまない。
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