栖木ひかり 時をかける台湾Y字路
図書出版ヘウレーカ 2019年
もともと台湾で刊行された中国語の文章を日本語化したもの、だそうです。
なので対象が台湾在住の台湾人ということになるのでしょうか。
読んだ印象として、
現地に行ったことがない人がこの本を読んで『ああ、きっとこんな場所なんだろうなあ』と想像する
というたぐいのものではないな、という感じでした。
現地で風景を見ながら読む、とか生活の中にその光景がある人が
『へぇ。あの場所がなんか記事になってるよ』という感じで読まれることを想定しているんだろうなと。
もしも現地に行ったことのない人を対象としているのであれば、
あまりに現地の情報量が少ないのです。(街歩きの本なのに。)
色々関連するネタは各種お持ちのようでそちらの方向へ展開していくのですが
街やそのY字路その物からかけ離れてしまうので
街そのもの、あるいはY字路の情景が残らないというか、薄いというか。
(それが現地に行ったことがある人(または住んでいる人)向けに書かれているんじゃないかと考えた理由です)
まあ、そもそも興味の対象が違うからかもしれませんけど。
その他気になったこと。
・昔の地図がそれぞれY字路について載せてあるのですが、せっかくそこまでやるなら
現代の地図も載せておいてくれた方が比較対象になってよりよいと思うのですが
どういうわけか現代のは手書きの地図だけ。残念。
・タイトルが台湾Y字路を謳ってますが,実際にはほとんどが台北および新北。
・ルビがうっとおしい
すんませんこれ個人的にかもしれませんが。
日本語の日常的な文字じゃないものにはルビ振るのもいいと思うのですが
例えば光華商場ってルビ振る必要ありますかね。確かに現地語的には『グァンファサンチャン』なのかもしれませんが
ルビなしでも『こうかしょうじょう』って読めるかと。
これが相当大量にあるので(地名、人名、食べ物etc)むしろ読み進めにくいところもあります。
すんません、なんかいちゃもんみたいなレビューになってしまいました。
台湾いきたいわんな方々にはいいかもしれませんね!
台北でこの本片手に散歩してみたいですね!