直径1センチの円の面積を考えます。
そもそも円の面積は半径×半径×3.14な訳ですが
ここでは円周率を使わないで考えてみます。
円の中にできるだけたくさんの長方形を詰め込んでみます。
例えばこんな風に。
このピンク色の短冊の面積の合計を求めると,多分何となく円の面積に近いものが出るんじゃないかなと。
ちなみに、この短冊ですが
白い円の中心角を15度刻みに取った半径と円の接点を左右対称に結んだものです。
すいません、理系じゃないのでこういうのをどう表現したらいいかわかりません。
要するにこういうことです↓
円の中心から出てくる破線が15度刻みになっていますので
真横にひかれている線を基準とすると、
中心角はそれぞれ15度、30度、45度、60度、75度となります。
っていうことは例のサイン・コサインを使うと各短冊の高さや幅を出すことができます。
どうやってサイン/コサインで出せばいいか一応書いておきます。
まずサインコサインを思い出しましょう。
上の図で考えて,aとxではさまれた鋭角を中心角とします。
この時に、sin中心角=y/a cos中心角=x/a となります。
今回の場合前提として斜辺aについてはどんな時にでも半径にあたるため
中心角がいかなる場合でも,a=1は湖底になります。
そうするとどうなるかというと
sin中心角=y cos中心角=x ということになるわけです。
ここまでわかれば後は面倒くささとの格闘のみ。
例えば↑の例(中心角が15度刻み)であれば
sin15°とcos15°がわかれば、短冊の角の座標がわかるため
後は普通に長方形の面積の計算方法によって短冊の計算ができるわけです。
(高さの計算については多少注意が必要ですが→sinで出したy座標については,2本目以降は短冊の高さにはならないので、そこに至るまでの短冊の高さをマイナスしてやる必要がありますね。)
で、計算の結果、この中心角15°で刻んだ場合(↑の図がそれ)
ピンクの短冊面積合計は、2.84252355605546 となりました。
さて。
普通、常識に考えてですが。
この短冊形=長方形の集合体は、結局のところ長方形の集合体であって
奇麗な円ではありません。決して。
と、いうことは当然ながら誤差ってもんがあります。
どれくらい誤差があるかというと
本来半径1の円で考えるのならば,その面積は1×1×3.14になるので
限りなく3.14に近い数値になると考えられますが、
この中心角15度の計算の結果はせいぜい2.8425
3にすら到達していません。
さて、困った。どうやったらより近い数値を叩き出せるだろう?と考えると
短冊を増やせばいいじゃない、中心角をもっと細かく刻めばいいさ、ということになります。
こういうことですね。短冊を増やせば(右側)、もっと円に近づくことになります。
で色々実験した結果がこちら。
中心角:9度 面積合計:2.97128588715538
中心角:3.6度 面積合計:3.07667344437897
中心角:2度 面積合計:3.1064457336865
中心角:1度 面積合計:3.12397942312951
中心角:0.1度 面積合計:3.13984572892191
中心角:0.01度 面積合計:3.14141810471442
中心角:0.001度 面積合計:3.1415752001378
確かに分割数が大きく(中心角が小さく)なるにしたがって
どんどん3.14に近づいていくことが確認できました。
円周率=3.14にするならば,中心角0.1°の段階で遜色ないといってもいいでしょうし、
円周率=3でOKならもっと中心角9度くらいでもどうにかなってますね。
というような感じです。
なお、これ、積分の考え方っていうことみたいですね。