iPODは何を変えたのか?
スティーブン・レヴィ ソフトバンククリエイティブ 2007年
iPodに関する本です。
iPodの開発者や当時の業界を取り巻く様相、などなど。
アップル好きな方はとても楽しく読めるのではないでしょうか。
(自分はアップルはそこまで好きではないので・・・)
ただ、なんというか、文章がアメリカ臭のする文章なのでこういう文体が苦手だと
少々鼻につくなあ、という部分はありました。
内容そのものも興味深い状況ではあったのですが
2020年の今から2000年初頭を振り返って観たときの状況
また、その当時予想された未来と現在の状況、
このあたりを比較して読むとなかなかおもしろいかもしれません。
この本を出したときは(少なくとも執筆中は)iPhoneはまだ生まれていなかったので
(アップル社内では当然そういうプロジェクトは進行中だったのでしょうが)
本文中には出てきませんが、
iPhoneの出現によってまた色々世の中(アップルという会社も含めて)かわったんだなと
アップルが好きではない自分ですら思うような内容でした。
その後、ネットが2007年から比べても大きく便利になり
YOUTUBEやサブスクというサービスが生まれ、音楽を取り巻く状況が
わずかここ10年ちょっとで大きく変化したのは今を生きてる方であれば
リアルタイムで体験してきていることですね。
この本の作者は全く言及していないのですが
MP3という圧縮ファイルで聴く音楽について、多少思うことがありました。
私自身は,そこそこの音質で聴ければ別になんでもいいですよ派なのですが
世の中の大部分の音楽の消費者はだいたいみんなそんな感じなのだなと。
MP3で圧縮されると、CDやレコードを音源にして聴いたときと、また随分音質に変化があるそうなのです。
実際オーディオマニアの方もたくさんいらっしゃいますし,先日読んだミックスダウンのエンジニアの方が書いた本でも言われていました。
確かに自宅できちんとした環境で聴いたら一目瞭然なんだと思います。
が、実際には、そこまでは求めていない、っていうのが一般的なんだろうなと。
MP3という形式がここまで広がったのもそのせいだなと。
この作者はそのあたりに関しては一切触れていませんでしたので、
そこら辺も触れられてたら面白かったのにとも思います。
(作者は音楽的には割と古い時代の音楽も好きそうな方でしたので)
この先人間と音楽との関係はどんなふうになっていくんでしょうね。
APPLE好きかつ音楽好きであれば是非。