栄養士が「売る」ということ~商売の基本のキ~
岡本さんが売っているのは無農薬・無肥料の野菜
でもそれだけでは売れなかったそうだ。
ではなぜ売れるようになったのか?
売るモノは違っても
商売の基本は同じ
「売れる」ヒントがこの文に詰まっている。
環境活動家、無肥料栽培講師。
シードバンク「たねのがっこう」主宰の岡本よりたかさん
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売るということ~商売の基本のキ~
「売るということ」
売れない時というのは、思考が凝り固まってしまい、アイデアが生まれてこない。
マルシェに出店していた時に、あまりにも売れない野菜たちを見て、ただ呆然と見守るしかなかった。
利益が暮らしに直結するとなると、売れないということは、つまりは食事にありつけないということであり、ただただ不安になる。
いや、食べるものは目の前にあるのだから、食べられないわけではないのだが、そういう風に考える余裕すらないのだ。
お客さんに声がけする気も起きずに、テーブルの後ろで座り込んでいたら、横で出店していた野菜ジャム屋のオヤジが声をかけてきた。
「おぅ!売れなきゃ買い取るぞ。無農薬だろ?果菜類はジャムに出来るし、葉野菜はふりかけにできるからな」
確かにそうなのだけど、僕としてはあまり嬉しくはない。なぜなら、多くの人に知ってもらって売れ行きが安定するのだけど、一人のオヤジに頼っても、不安定である。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
結局は、そのジャム屋に全てを引き取ってもらった。とにかく持ち帰るのが嫌で、この際だから頼ることしてみた。
それから数回、僕はそのジャム屋に頼ることにした。売れ残りは迷わず持っていく。オヤジは快く引き取ってくれる。
何せそのジャム屋(ジャム屋ではなく、加工品を売る食品店のオヤジだったのだが)は、とにかくひっきりなしにお客さんが来ている。
確かに材料の買い上げも大事な仕事なのだから、僕も割り切って、お互い支え合えばいいだろうと思うようになった。
何回か、野菜を引き取ってもらうようになったある日、驚いたことに、僕の店の前に人が並び始める。
野菜が売れるようになったのだ。
当初は理由が分からなかった。
でも、とりあえず売れるのだから良いだろうと、どんどん売り尽くした。
しかし、そのジャム屋のオヤジに売る分の野菜がなくなってしまう。それでは申し訳ないと思い、売れる前にオヤジのところに野菜を持って行った。
そしたら、こう言われた。
「お客さんに売れるなら売り尽くせよ。俺は野菜など、いくらでも仕入れられる。俺の心配より自分の心配をしろ」
確かにそうだ。そんなことを考えている場合ではない。できるだけ多くの固定客を掴むべき時である。
そう思って僕は、野菜をただ売り続けた。
そして、一人のお客さんの言葉で、なぜ僕の野菜が売れ始めたのか。その理由が分かった。
「◯◯さんとこのジャムの野菜はこちらのなんでしょう?美味しかったから、買いに来たのよ」
そうか、そうだったのか。
僕の野菜を使ってジャムを作り、そのジャムの原材料が僕のだと、オヤジは宣伝してくれていたのだ。
野菜が売り切れたあと、僕はオヤジの元に行き、お礼を伝えた。
「僕の野菜の宣伝してくれてたんですね。ありがとうございます。お陰で売れるようになりました!」
するとオヤジは不機嫌そうにこう言った。
「宣伝なんかしてない。聞かれたから答えただけ。だけどひとつだけ言っておくとな、食べてもらわなきゃ、美味しさなんか分かってもらえないんだよ」
その通りである。野菜を並べ、無農薬だ無肥料だと言っておけば、その付加価値で売れると思っていた。
しかし、人を動かすのは付加価値ではない。五感である。
視・聴・嗅・味・触の五つの感覚。
そこを刺激しなきゃ売れるはずがない。
確かにオヤジの加工品は試食を出していた。試食を出せば人は食べてみたくなる。その時、本当に美味しければ、多くのお客さんは、必ず買ってくれる。
商売の基本の"き"である。
所詮、栽培することだけに一生懸命になっていた僕には、"売る"という当たり前の思考がなかったのである。
商売やっている人にとっては当たり前の話だろう。
しかし、農家というのはそこまで追い詰められているのである。
なぜなら、栽培が成功しなければその先はない。そして一番の難関は栽培することだからだ。
https://www.facebook.com/yoritaka.okamoto
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いかがでしょうか。
売るモノが
野菜ではなくて
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栄養士起業コンサルタント 小林裕子
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