ウルフさんのブログ -7ページ目

#2 『ウルフさんの 成功サロンの法則』

ある寒い冬のことです。

深い森の中は白い雪が一面に広がって、し~んと静まり返っていました。


そこに一匹のやせ細ったオオカミがやってきました。


「はぁ~~・・・腹減ったなぁ。 腹が減りすぎて気持ちわりぃなぁ・・」



オオカミはお腹がペコペコでした。

この冬は特に寒さが厳しく、オオカミの食事となる動物がみんな姿を消してしまっていたのです。



「どっかにウサギかブタくらい転がってねぇかなぁ・・・」

オオカミはしょんぼりしながらも、

目と耳をギラギラと研ぎ澄ませて、餌が通りかかるのを待っていました。


すると、遠くから近づいてくる足音がします。 ザク・・ザク・・ザク・・

(この音は、ウサギかネズミだな・・・

たすかったぁ、これでしばらく腹減ってるのをがまんできるぞ)


そこに現われたのは、しょんぼりと歩いてくるウサギでした。

「はぁ~~・・・困ったなぁ」

ウサギはなにやら困り果てていて、目の前にオオカミがいることに気づきません。

テクテクとオオカミの横を通り過ぎようとした時、

オオカミに足を引っ掛けられて、行きよいよく転んでしまいました。

そこにすかさずオオカミがのしかかり、ウサギを押さえつけました。



「やったぁ~~! これでご飯が食べられるぜぇ! いっただきま~す!」



オオカミの大きな口がウサギに近づきます。

「うわぁ~~~~!!! まってまって! 待ってください!」

「なんだよ!

 今さら『食べないで下さい』なんて、

 メシがまずくなるようなことを言うんじゃねぇぞ!」


「は・・はい!」

「よぅし! いただきま~す!」

「いえいえいえいえ!! 待ってください!」

「待ってやるもんか! いただきま~す!!」

オオカミは問答無用でウサギさんに噛み付こうとしました。ところが・・・



「くせぇ!! なんだお前!? 

 そのす~~~~っと鼻を突くような刺激的な匂いは!?」


「え・・? あぁ、ペパーミントの匂いです! はい!」

「なにぃ? ペーパー・・? なんだって?」

「す・・・す・・・すぅ~っとする香りのするハーブです」

「ハブだかマムシだかしらねぇが、その匂いを何とかしろ!」

「何とかしろといわれても・・・

 染み付いてしまった香りは6時間くらいたたないと薄まらないんです・・」

「なにぃ~~!? 

 じゃぁお前、オレは6時間もそのくせぇ匂いが無くなるのを待たなきゃいけねぇのか!?」

「えぇっと・・・・じゃぁ、身体を洗ってからもう一度ここに来ましょうか?」

「そんなの、逃げるに決まってるだろうが!」

「ば・・・バレたか・・」

「当たりめぇだ! こちとら百戦錬磨よ!

 くそぉ・・・

 しかしその匂いを我慢して食っちまったら余計に気持ち悪くなる気がするしなぁ・・・」

「じゃ・・じゃぁ・・食べないというのは・・・」

「バカやろう! オオカミはそんなお人よしに生きてねぇんだよ!」

「しゅん・・・」

「ちっ・・しょうがねぇ。おめぇの匂いが無くなるまで待ってやるか。

 おう、逃げるんじゃねぇぞ!」

「は・・・はい・・・・」

「くそぅ・・こんなことだったら暇つぶしできるものを持ってくるんだったぜ」


「あ・・・オオカミさんもゲームとかするんですか?」

「当たりめぇだ! でないとこんな商売やってられっかよ!

 まぁいいや、そうと決まったらそこに座れや」


「は・・・・・・・・はい・・・」

ウサギは観念して、オオカミの隣の切り株にちょこんと座りました。



「おめぇは何でこんな寒い時期にこんな物騒なところをほっつき歩いてたんだ?」

「あの・・・ハーブが切れてしまったので、泉の近くに採りに行っていたんです」


「なんでぇ、またハーブかよ。 そういえばお前、「こまった」って言ってなかったか?」

「えぇ・・実はサロンのお客様が全然来なくって・・・」


「なんだよ、そのサロンっていうのは」

「え~と、私はアロマテラピーのサロンを自宅で開業しているんです。

 簡単に言うと、お客様に癒しを提供しているお店です」


「ふ~ん、なんかわからねぇけど、そんなんでメシが食えるのか?」

「えぇ、すごく繁盛している人がいますから・・・」


「おいおい、テメェの店だろうがよ。

 人がどうのこうのは関係ねぇんじゃねぇのか? お前はどうなんだよ。儲かると思ってんのか?」

「は・・はい。儲かるといいなと思っています」


「なんだよ、『思っています』ってよぉ・・。 ったく、しょうがねぇなぁ。 

 おい、おめぇ名前は何ていうんだ?」


「『もへこ』です」

「もへこ? 変な名前だな。

 オレは『ウルフ』ってぇんだ。 まぁどうせおめぇを食っちまうまで暇だしよ、

 ちょっくらオレ様が『成功する店の法則』ってぇのを教えてやるぜ」


「ほ・・本当ですか!?  でも、何でウルフさんはそんなことを知ってるんですか?」

「百戦錬磨だっつったろうが!

 いいか、オオカミはなぁ、常に獲物を狙ってるんだ。 それはハンパなことじゃねぇぞ。

 いつもいつも、どうすれば少しでも多くの獲物を獲れるか、戦略を練ってんだよ!」


「せ・・・戦略ですか」

「おうよ! おめぇに『オオカミの戦略』ってぇモノを教えてやるよ」

「は・・はい! よろしくお願いします」

「いいか! 途中で『そんなことですか』とか『それなら知っていますよ』とか言うんじゃねぇぞ!

『わかってないから、お前はここにいるんだよ!』 

 それを肝に銘じねぇと、先はねぇからな」


さてさて、こうして始まった『ウルフさんの癒しサロン講座』・・。

はたしてどうなることやら。



・・・続く

作品:『ウルフさんの 成功サロンの法則』

#1 『ウルフさんの 売り上げの種を育てる方法』

ある寒い冬のことです。深い森の中は白い雪が一面に広がって、

し~んと静まり返っていました。

そこに一匹のやせ細ったオオカミがやってきました。


「はぁ~~・・・腹減ったなぁ。 腹が減りすぎて気持ちわりぃなぁ・・」


オオカミはお腹がペコペコでした。この冬は特に寒さが厳しく、

オオカミの食事となる動物がみんな姿を消してしまっていたのです。


「どっかにウサギかブタくらい転がってねぇかなぁ・・・」


オオカミはしょんぼりしながらポケットを探りました。

そこから紙切れが3枚出てきました。



「・・・3万円かぁ・・・。これをどうやって使って生き延びるかだな・・」

ウルフさんは、切り株に座って考え始めました。



「1日の食費を500円に抑えれば、60日間・・2ヶ月間は生きられるな。

いや待てよ・・カップラーメンで暮らせば1日400円だ。

そうすりゃぁもう15日間食っていけるな。


よし、近くの格安スーパー『オオカミ市場』でカップラーメンの買いだめだ!」


ウルフさんは一番近くのスーパーに向かって歩き出しました。

しばらくすると、オオカミの長蛇の列にでくわしました。



「あれ? ウルフじゃねぇか。 オメェも『オオカミ市場』か?」

オオカミ仲間のキバ介が話しかけてきます。

「キバ介じゃねぇか。 オメェもラーメンの買出しに行くのか?」

「ラーメンなんて買えりゃぁ贅沢だぜ。この冬は干草くれぇしかねぇかもしれねぇぞ。

さっきから4時間並んでるけれどよ、ちっとも進まねぇんだ」


「よ・・・四時間も並んでんのか!?

オレァだめだ。 そんなに並んでたらの垂れ死んじまうぜ・・・」

「そのセリフは、さっきオレがノラ坊に言ったセリフだぜ。

とにかく並ばなけりゃ始まらねぇぞ。どうする?」



ウルフさんはしばらく空を見上げて考えました。

そして、もう一度オオカミの列に目をやりました。

(・・・この列に並んでも、自分の生活が安定する保証なんてどこにもねぇな・・。

しかも、何十時間も待っても、もしかしたら何にもが買えねぇかもしれねぇ・・・。

こいつらと同じことをやっていては、今年の冬は乗り切れねぇぞ・・・。)



「オレァ他をあたってみるぜ。キバ介もがんばれよ」

ウルフさんはキバ介に声をかけた後、その場を離れていきました。



しばらく森の中を歩くと、どこからともなくいい匂いがしてきます。

「こ・・・この匂いは、上質な子羊の香りだ!!」

ウルフさんは匂いのするほうにドンドンと歩いていきました。


こんな冬の寒い日に、こんないい匂いはどこからするのか不思議でした。




しばらく歩くと、おおきな屋敷の高級レストランに行き着きました。

「こ・・・ここかぁ・・・」

入り口に立っているスーツを着た白熊が、

「いらっしゃいませ。本日はお食事でよろしいですか?」

と丁寧に話しかけてきます。



「お・・・おう」と、ウルフさんは勢いで応えてしまいました。

「なぁに、いざとなれば3万円があるさ」と心のどこかで思いました。




高級なレストランの中には、高級なスーツを着たキツネやキリンがいます。

みんな楽しそうに食事をしています。


(くそぅ・・こいつら一体どこにそんな金があるんだよ・・・)

ウルフさんが心の中で呟くと、先ほどのクマとは違った黒いクマが、メニューを持ってきました。



「本日のオススメは子羊のラム酒煮込み、美味しいトリュフスープをかけて となっています」

ウルフさんがその料理の値段を見ると・・・


「に・・・2万8千円!?」


 ウルフさんは目の玉が飛び出しそうになりました。

「いかがされましたか?」 クマはあくまでも礼儀正しく話しかけてきます。

「う・・・ウム・・・」ウルフさんは高級そうな咳払いをしました。


「あぁ、お味が不安でいらっしゃりますか? 

大丈夫です。このレストランにはオオカミさんの味覚を知り尽くしたシェフが在籍していますので、

安心してお食事を楽しんでいただけますよ」


「あ・・・あぁ、そうかね」

ウルフさんは高級そうに返事をしました。


(味とかよくわかんねぇよな・・・味はいいから、量を多くしてくれって言おうかな・・・)



ウルフさんはそう思ってハッとしました。

(オレ・・・この料理頼むつもりか!?

2万8千円だぞ!? 残り2000円になっちまう!

アブねぇアブねぇ、今は美味しいとかお腹が膨れるとか、

そんな一時的なものに金を出している時じゃねぇんだ。

こんな高級料理、金持ちになったらいくらでも食ってやるから、今は我慢するんだ!)


ウルフさんはメニューを置くと、

「う・・ウム、家にばあやを待たせているから、今日はやめておくぜ」

と言って、レストランをあとにしました。


クマのウエイターは、きょとんとした顔をしながら、礼儀正しく見送りました。




ウルフさんは、レストランを離れる時に、ちょっとだけ泣きそうになりました。

「くそぉ・・・食いたかったなぁ・・・・」


ウルフさんがお腹が減りすぎてイライラしながら歩いていると、

高級レストランの側のだからか、高級な家が目に入ってきました。



レンガの壁に守られた敷地の中に広い庭があり、手入れされた木々が並んでいます。

奥には古くて大きな格調高そうな家があり、エントツからはユゲがモクモクと出ていました。



「くそぅ・・金持ちぶりやがって。

金持ちがこんな贅沢な生活をしてるからオレたちが苦しんでんだ!

そうだ・・・ちょっとくらい何か盗んでも、金持ちは困らねぇだろう・・ようし・・」

ウルフさんはこっそりと敷地の中に入っていきました。

どんなちょっとの残飯でも、ウルフさんにとっては貴重な食料だったのです。



ウルフさんはザクザクと雪を踏みしめながら家の裏側にまわっていきました。

家の裏なら、食べ残しが落ちているかもしれません。

あわよくば、こっそりと家の中に入ってしまおうと思っていました。


家の裏にまわると、そこには物置小屋がありました。

ウルフさんは、まずはその中で寒さをしのごうと思い、小屋に入っていきました。

小屋の中は薄暗く、灯りはついていませんでしたが、

外に比べてずっと暖かかったので、ウルフさんはほっとして、頭に乗っていた雪を払いました。



すると中から  「誰かね?」  という声が聞こえてきます。

ウルフさんはびっくりして、「うぁ・・あの・・・オレは・・・」と、しどろもどろになりました。



パチンという音がして、小屋の中に小さなランプの灯りがともりました。

灯りに照らされて出てきたのは、タヌキのおじいさんでした。


「な・・・・なんでぇ~~~・・・タヌキのじいさんかよ! びっくりさせんなよ」

「ほっほっほ、それはワシのセリフじゃよ。人の家の小屋に勝手に入ってきおってからに」

「なんだ、この贅沢な家はじいちゃんの家かよ。 羨ましい生活しやがって」

「ほ?  贅沢・・・? どこがかね?」

「こんな広い家をもって、こんな手入れされた庭を持ってりゃぁ、そりゃぁ贅沢だろうよ」


「ほっほっほ、まぁ見方はそれぞれじゃからな。

しかし、この家は古い古い家をワシが安く買って、自分でペンキを塗ったんじゃ。

もうちっと若いときじゃったがな」


「な・・・なんでぇ、若いときの自慢かよ!?」

「庭の木も、ワシが手入れをしとるんじゃ。
春にはいっぱいの花が咲くが、全て種からワシが育てたんじゃよ。

それが、贅沢かね?」

「う・・・あの・・・」

「見ると、だいぶ金に困っているようじゃな。どれ、よかったらワシが温かい・・・」

「メシをくれるのか!?」

「・・温かいハーブティーでも淹れようかの・・・ほっほっほ」

ウルフさんはちょっとがっかりしました。

しかし、この際温かいものなら何でもありがたかったので、

タヌキのおじいさんの家にお邪魔することにしました。


・・・続く



作品:『ウルフさんの 売り上げの種を育てる方法』

※旧:ウルフさんの3万円で個人サロンを成功させる方法

全てできるのかもしれねェけど・・

ウルフだ。


これまた、時々見かけるキャッチコピーでさ、

「全てお任せ下さい!」

って書いてあるのを見るんだよ。


これってさぁ、

広告を見過ぎちゃってんだよな。


いつの間にか、脳裏にやきついちまって、

自然と、そのコピーを使っちまう。


たしかに、魅力的な言葉なんだけどさァ、

それよりも大事なのは、

「それが、どんなシーンで使われてるか」

じゃねぇかなぁ。



「車の買取のことは、全てお任せ下さい!」とか、

「エアコンの購入から設置は、すべてお任せ下さい!」
ってぇのは、

すげぇわかるんだ。


俺なら、きっとそのコピーに引かれて、

そこに頼むかもしれぇね。


でもそれはさぁ、

「楽しみたい」とか、

「手軽に済ませたい」っていう気持なんだよな。


個人サロンとか、

エステサロンって、

その対極にねぇか?



本当に身体の疲れをほぐしたい人って、

「マッサージから、マッサージチェアの販売まで、すべてお任せ下さい!」

っていうところには頼まねェって。


本当に綺麗になりたい人が、

「フェイシャルからフットケアまで、すべてお任せ下さい!」

っていうところには、頼まなくね?



強い欲求を持っているお客様を集客するには、

専門化する必要があると、

俺は思うなァ。


「全てできる」ってぇのは、

素晴らしいことだし、

その力をなくせっていうことじゃなくって、


少なくとも、表に出すメッセージは絞ろうぜ・・・っていう話だ。