映画『済州島四・三事件 ハラン』を観てきました。 | 明日のわたしへ

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映画『済州島四・三事件 ハラン』、脚本・監督:ハ・ミョンミ。2025年 韓国 119分 ※画像はKBCシネマのHPからの切り抜き。
2026年5月24日、「KBCシネマ1・2」で観ました。


1945年、日本敗戦で戦争は終結したが、アメリカ軍とソ連軍が朝鮮半島に進駐、占領統治を行った。1948年4月3日、南北統一を願う済州島民が武装蜂起した。国防警備隊や警察、極右集団は島民を「アカ」、「共産主義者」といって弾圧、大虐殺が行われた。1954年9月までに30,000人近くが犠牲になった。しかし、この史実は長く隠されていて、最近になってようやく知らされてきたのだという。

映画は、済州島内で虐殺から逃げまわる島民たちだけでなく、虐殺する人間の姿も描いていた。海女のアジン(キム・ヒャンギ)は、体力があり、しなやかで強い。娘のヘセン(キム・ミンチェ)はまだ6歳だが、母親とはぐれても1人生き抜こうとする強さを持っていた。しかし祖母が虐殺され、自分も何度も命を脅かされ、言葉を離せなくなる。

虐殺する人間たちは、子どもでも老人でも捕まえては殺す。拷問する。住まいは焼き払う。うまく逃げたと思っても、狭い島の中、見つかって殺される。しかし一兵隊が虐殺に違和感を持つ。殺すのは武装蜂起に関わったものであるはずなのに、調べもせずに次々に殺していく。「主よ。この国に平和を与えてください」とひっそりと祈るキリスト教徒。一度、アジン親子を見逃すが、上官に殴られ、蹴られる。他にも似たようなシーンがあるが、島民に情けをかけたと見られると殺される。

アジン親子のたくましく生き抜こうとする姿にホッとさせられるが、虐殺する人たちの残虐さに気分が悪くなる。わたしは、イスラエルの人たちがパレスチナ人たちを理由もなく暴行したり殺したりする動画をSNSで観ることがある。日本人が「○○人は死ね」と書いたプラカードを持ってデモする動画も観た。イスラエル人も日本人も韓国人も同じように暴力的になれるのだと思う。同じ人間なのにそう思えなくなるのはなぜなのか。

映画の最後に、おびただしい数の墓標がただただ並んでいるシーンが映される。この映画に救いはない。最後まで救いがないのだ。当たり前だ。当時、殺された30,000人の中に救いはなかったのだから。そう思わせる悲しく辛いラストをあなたにもぜひ観てほしい。