何年か前、以前所属していた事務所で、キャラクターショーの新人さんの面接をしていた時がありました。

今でこそ『スーツアクター』と呼ばれ、ある程度きっちりした扱いを受けていますが、一昔前までこの仕事は、地位も低く、なり手も少なく、3Kで、1シーズンに入って来る新人の内、残るのは10人に1人くらいの割合の仕事でした。

あのお面で殺陣をやるには相当の『慣れ』と『勘』が必要で、しかも甲冑(ヒーローの衣装で胸や肩のプロテクター状の部分)やウレタン(怪人のような)の衣装はハンパじゃない暑さになります。

その事務所に面接に来たある女の子がいました。

私が志望の動機を尋ねました。
好きだから!とかスーツアクターさんのファンで!とかの答えが返ってくると思いましたが、その子は

『私、小さい頃…○○の屋上でアマゾンに助けて貰ったんです!それ以来、私の憧れはアマゾンでした!あんな風になってみたくて!』

………。

その量販店は我々がよくショーをやっていた所で、その出来事も覚えてます。

ある日、ライダー大集合かなんかのショーで、放送が終了している(とっくに)ライダーを助っ人で何体か出すショーでした。
後半、助っ人の1人、アマゾンがピンチになった時、最前列にいた、1人の女の子が、悪者に『あっちいっちゃえ!』と立ち上がって、前、つまりステージ側に倒れてきました。

最前列とショースペースはブルーシートが敷いてあるだけで段差もありませんでした。

アマゾンはその子を抱えて怪人にアドリブでキックを入れて、その子を席に戻し、頷いて、ショーを続けました。

それがその子には強烈な印象だったのでしょうか。

ほんの2~3m移動しただけなのに、その子にしてみれば、アマゾンに抱き抱えられ、空に飛び上がって一緒に悪者をやっつけたような感覚だったのかも…

先日『Shingen』で会っ時、その子はもう一端のスーツアクトレスさんで、私に挨拶にも来てくれました。

『お疲れ様でした!さすが私の目標のアマゾン!(アクションが)切れっ切れでしたね!今度また一緒にお願いします!』

彼女は子供達に自分と同じ思いをさせてあげられる(?)様に頑張ってるそうです。
頑張れスーツアクトレス!

あの時小学学前くらいだったのに美人になったな~…

アマゾンまだ頑張るよ!