マーガレットホテル535 | camouflage

camouflage

いつもの通り

秀俊とチェファは、津和野へ行っていた
そして、また山口県内を回り岩国へ行っていた

そして岩国から帰る途中だった
秀俊は遠回りして柳井から光市内を通っていた

秀俊は意識を失いかけた
車を路肩へ寄せて行き、ブレーキを止めて、眠るように意識を失った

秀俊!秀俊!
どうしたの?!
起きて!起きてよ!

秀俊は全く目を瞑ったまま、動かなくなってしまった
チェファは秀俊が死んだのかと感じた

チェファは慌てて、医者を探さなきゃ!と感じ、車から出て道行く車を止めて尋ねようとした
秀俊の体はチェファでは動かせないし、救急車があるという考えも浮かばなかった

幸い1台の車が止まり、しかも光市内の人だった
親切にチェファの車から、秀俊を運び出し、チェファも足を持って、自分の車に乗せて、付いて来て下さいとチェファに運転するよう伝えてくれた


しかし、旦那さんも意識を失いながら、車を路肩に止めるなんて、不幸中の幸いでしたね
2、3日入院ですね
睡眠不足と疲労があったのでしょう
休ませてあげて下さい

どこか泊まれる場所ありますか?
この辺りに、狩野先生

ああ、室積に泊まる場所があります
そこに電話しますよ、私が
旦那さんは2、3日様子を見ますから
そしたら大丈夫でしょう

先生は宿泊の電話をかけた
外にはこの病院を知らせてくれた、水村さんという方が心配そうに座っていたが、チェファの話を聞いて、よかったですね、と微笑んでくれた

狩野先生は上手いですから
私もお世話になっていますよ

あ、あの良かったら住所を…

あ、ああ、はい、メモ書いときますね

それをチェファは受け取った
何らかの贈り物をしないと、とチェファは感じた、狩野先生も

そんなチェファと水村さんの前に出てきた
狩野先生は

水村さん、連れて行ってあげて下さい
一部屋空いてるみたいですよ

と、少し微笑んで伝えてくれた

旦那さんは病室で休ませますので…
若奥さんのために、意識は無くなったけど、旦那さんの本能ですね




チェファは室積海岸の近くにある、ホテルに泊まる事になった

部屋に通され、チェファはホッとした

これで何とかなる
完全に慌ててたから、救急車呼ぶこと忘れてた…
でも狩野先生信頼出来そうだから…

と、ようやく落ち着いたチェファは、近くの室積海岸でも行こうかな、と考えて歩き出した

意識失ってブレーキ押すなんて、秀俊に感謝しないと

チェファは海岸に出て、周防灘を1人で眺めながら、歩いていた
その後毎日チェファは、秀俊の様子を見ていた



ちょっと、張り切り過ぎたかな
今回の旅行
1時間台出せて喜んだのは事実だ

狩野先生のOKが出て、チェファが佐賀まで運転するように彼女は決めていた

いい海岸だったな
少し歩いたけど…

ちょっと無理させてごめんなさい、秀俊
ボストンで激しいレースしたからね…

いや、いいんだ
萩だけ行けなかったな…

いいから、秀俊
チェファも運転上手くなったでしょ

そうだな、安定してきたな

あのお二人にお礼送っとくよ、秀俊

あの直後、気を失うとか、ヤバかったな
良く路肩に止めたもんだ

本能よ、秀俊の

2人は山口市内をやり過ごし、下関を目指していた
監督は、ちょっと調整の別メニューにしとくから、と話を聞いて、チェファに伝えていた

俺、意識を失うなんて初めてだったな
何が起きるか分からんな

だいぶ疲れてたんだよ
もう、ある程度まで戻ったから、良かったよ
高速、乗る?

チェファ、練習だ、高速に乗ってみな

小月インターから、チェファは高速に乗り、夜の関門橋を渡って行った