
若葉の頃
4月も中旬を迎えていた。
僕は同じクラスの城野という学生と食堂で話していた。
「この大学、女子の割合がかなり高いな」
「少し肩身狭い感じするね」
今は昼食の時間帯から外れ、そんなに食堂も人気がない。
「城野はさぁ 何のサークルに入ってるんだ?」
「旅行サークルだけど?」
「あ、波頭亮っていう人いない?」
「波頭さん?いらっしゃるよ。2年の人」
「俺も入ろうかな。実はまだ決めてなくて」
そして僕は波頭と一緒に部室へ行った。
ちょうど亮さんがいた。
亮さんは少し驚いたような顔をしたが、おう!と僕に挨拶をした。
「春休み、北陸へ行ってきたんだよ」
と亮さんは言った。
僕は入部届を亮さんに出した。
「部長、今日 後から来るから渡しておくよ。この後 講義あるのか、秀介は」
はい、と僕は答えた。
その後、波頭と3人で旅行の話になった。
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