マーガレットホテル214 | camouflage

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いつもの通り

鏡と新開はマインツへ向かう事になっている
マインツで次のクロカンに出る予定だ
マインツでの試合と、あと1つの試合に出たら、佐賀に行き、合宿に合わせる予定だ

岡ちゃんがゴール決めてくれたらな
じゃ、お先に入ってきます
監督、間もなく合流しますから

ああ、全力で走って来なさい、お前たち、結婚して良いぞ
既にクロカンで4つ1位になったから

一番ガ瀬は、そう告げた

え?良いんすか?

ああ、世界で強豪に4回勝ったから
お前たちも早い方がいいしな

鏡は今飛行機の中で眠っていた

やった!宿願だったからな

眠っている鏡の額にキスをした

間もなく着陸する予定だ
マインツの街並みが見えてきていた



聡たち5人は、一旦インチョンへ行き、羽田に向かう航空機に乗り、今回の陸上日本代表チームは解団する
他の陸上日本代表と一緒に一旦羽田へ向かい、佐賀へ行く予定だ



全員熟睡したまま、インチョンに着く

聡は言う

4階や地下に美味しいレストランもありますよ
監督、行きませんか?

ああ、そうだな
たまには頂かないとな

2時間後に航空機は出ますから、ちょうどいいでしょう

ゲートに行く途中にも色々あります
私はこの前キムチ買って帰りましたから

綾奈はそう言った

海外を航空機で初めて移動してきた秀俊は

何か異常に大きい空港だなあ
佐賀とは違うよな、実南

何か色々見ておきたいな
インチョン空港

他の日本代表たちは免税店などに向かった

よし、我々は食事だ

と監督の一声で、レストランへ向かった

お土産は色々買ったしな、あとは見学だ



監督、大丈夫ですか?

聡は一番ガ瀬に声をかけた
一番ガ瀬は、迷いに迷って、二品を頼んでしまった
レストランの人も心配している

聡と綾奈が韓国語を話せると知り、2人の通訳に話しかけて、一番ガ瀬を気遣ってくれている

ここは広い空港だから、端から端まで歩いてみて下さい

と、綾奈に伝えた

美味しいから大丈夫、そのように少しウォーキングするから
と店の方に伝えてくれ、綾奈

と、一番ガ瀬は綾奈に告げた

ちょっと俺らカフェで何か買ってくるから、先に行ってて下さい、迷ったら携帯でお願いしますね

秀俊がそう言ったら、監督は

迷うなよ
105番のロビーへ来い

と、告げた

さあ、ウォーキングだ、付き合え

一番ガ瀬は聡と綾奈を両側に従えて歩き出した

楽しみだな、お前たちの友だちのパクヂェヨンと一緒に練習出来るから
長距離ブロックのお手本にしなさい

9月過ぎに来日されるみたいですね

そうか
11月過ぎに時間が出来るから、佐賀でミニ合宿するか
あの気迫にはちょっとかなわない気もするが
最後の100mは根性だったな

一番ガ瀬は男子マラソンのラストを振り返っていた

綾奈と聡も見たが
テレビで
わずか1秒差でチェヨンは金メダルに輝く
述懐していた

何せ黒人と大接戦で勝って1番になった価値ある金メダルだ
聡は、あの気迫に勝たないといけない
世界は、凄い
そう感じていた