長距離ブロックの部員たちは全員で大牟田市へ向かった
炭鉱の跡を見るためである
急遽、熊谷監督が決めた
彼ら彼女らは観光のためのチャーターした、佐賀の西鉄バスの営業所に乗って向かう
途中から有明沿岸道という高速に乗り、まだ完全に完成していないが、物見遊山な感じになり、歌を歌ったりして大牟田へ向かった
大牟田の市街地の北に目的地の1つ、宮原坑という世界遺産候補になってる所があり、まずはそこへ向かった
あれ?線路跡かな、聡
秀俊はバスの右側に座り、ずーっと風景を見ていたので、そう言った
あ、本当だわ、秀俊
鉄道があるんだな、炭鉱へ繋ぐ
熊谷監督が
そうだ、あれも世界遺産候補の石炭を運ぶ鉄道跡だ
良く見ていたな、秀俊
鉄道跡に沿いながらバスは進む、そして宮原坑の建物が見えてきた
バスは広く取ってる駐車場に止まり、全員下車する事になった
うーん、何か見ない方がいいかもしれない
聡がうっかり呟いたのが、熊谷監督の耳に入った
聡、日本人や韓国人が前、どれだけ苦労していたのを俺たちは見なくてはいかん
一緒に行くんだ
そういやさ、鏡、私たちが高3の春にグリーンランドに遊びに行ったじゃない
あそこの近くにも、万田坑ってあったのよ
そう綾奈、良く分かったな
今日は万田坑にも行く
熊谷監督は、人が変わったように今日は厳しい

今、九州山口あと釜石とかで世界遺産登録をしようとしてる一連の遺跡たちのうちの1つだ
昔、強制連行した韓国の人たちも働き、40度の気温の中、石炭を掘っていた
熊谷監督は厳しい口調で説明をしていた
赤水コーチ、監督は大学時代歴史でも習ってたんですか?
新開が聞くと
そうだよ、史学科で勉強してらした
うちの
確か卒論に、ね
赤水コーチも、今日は静かに熊谷監督の説明を聞いていた

怖くて説明聞けなくなってきたよ
宮原炭坑の説明
実南は綾奈に呟いた
聞いた方がいいよ
でも嫌になったら他の事考えてごまかしなさい