戸塚から監督車に乗り込んだ鏡だったが、後ろを見ても誰の姿も中継車の姿も見えない
前を見ると、3区を走る山口という四年生と第一中継車が見れる
これは青山学院の独走です
2位に7分の差がつきました
と、車内のテレビでは言ってる
7分なら2キロ強の差がある
3区山口は、上手く走り、次の4区も無難に走っている
三年生の川神と言う選手だ
監督車から熊谷監督が言う情報を逐一頭に入れて走っている
そして聡と綾奈が待つ小田原中継所へ近づいてきた
6分40秒の差がついたね
とにかく記録狙いかな、とりあえず
ああ、そうだな
じゃあ行ってくる
聡は、そう言い残して、5区のスタートに立った
今年から20m伸びた5区
そして三年生川神から、タスキを受け取る
お前なら行ける、三ツ境行け!
と、叫び、綾奈の元に倒れ込んだ
そこへ鏡が現れた
あんた、監督車に乗って!
私が介抱するから!早く!
いきなり言われたので、綾奈は慌てて熊谷監督と赤水が乗ってる監督車に走る
特別にだ
こんな事やっちゃいけないだろうけど
熊谷監督は笑った
走り出して5キロの箱根町役場辺り
に、どのくらいで行けるんだろうかだな
聡のペースは速そうだった
高速で走れる選手だが
しばらく様子見てから判断しようと熊谷監督は考えた
そして箱根町役場辺りの5キロ
いかん、速すぎだ、14分30で入りやがった
三ツ境!もっと抑えろ!14分30だ!5キロ
いくら何でも速いとは綾奈も感じた