嫉妬④ | camouflage

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いつもの通り

「問題。孟子の母は…」



ゴトー先生が、流れるような手捌きでボタンを押した。



「孟母三遷の教え!」



「正解!ピンクチーム優勝!」



悔しがり解答席で頭を抱え込んだタケヒロに、ゴトー先生は、



「僕の勝ちだよ、タケヒロくん。さあ、東門での事を詳しく話しなさい!」



と勝ち誇って言った。



「い…、嫌です!」



タケヒロは、そう言って解答席から逃げ出した。



そしてまたゴトー先生は、タケヒロを追い掛け始めた。



「何をやってんだ、あの二人は…」



シゲさんは、狐に摘まれたような顔をして二人を眺めていた。





村では村長選挙の公示日となり、街中にポスターが貼られていた。



「た!大変だ!シゲさん!」



「何だ、どうした」



赤いはちまきをした漁協の人がシゲさんを街中にひいていった。



「な!何だあ?こりゃあ!」



見ると候補者掲示板の中に ゴトー先生とタケヒロのポスターがあった。



「ゴ…、ゴトーが立候補?!タケヒロは、中学生なんだぞ?選挙に立候補できるのか!?」