秀俊は1区の聡からずっとトップを維持されたタスキを2位に1分差で受け取った
タスキを受け、すぐに右肩に巻き、このスピード駅伝に、大学に二度目の栄冠をもたらさんと走り出した
出雲駅伝最長の10,4キロ
数年前に青学大は優勝した事がある
秀俊は落ち着いた走りをしていた
各大学の監督は、秀俊に1分半ほどの差が取れたら良いのだが、と淡い期待を持っていたが、その考えはもろくも崩れ去ってしまった
差、1分10秒になったよ!このまま、このまま!
途中にいた鏡が叫んでいた
秀俊は更に逃げ切ろうとスピードを上げる
全出場選手の中で実力は秀俊が聡にわずかな差をつけて一番
聡が区間新記録の走りを見せつけたのには発奮した
俺も何とかして区間新を、と狙う走り
途中からは押しまくった
ゴールの出雲ドーム前には沢山の観客がいた
秀俊は軽くガッツポーズをして、ゴールテープを切った
そして青学大の選手やマネージャーの所まで行き、倒れ込んだ
すごいよ、区間新記録で今までの最高記録だって
実南はそう声をかけて、ゴールした秀俊を抱き抱えた
全員、優勝した事について喜びもひとしおだ
まずアンカー秀俊を胴上げし、次に熊谷監督を胴上げした
次の日の新聞には、出雲駅伝の事について詳しく書かれていた