マーガレットホテル071 | camouflage

camouflage

いつもの通り

大学で、6人は2人ずつとなり、それぞれ別々になった

秀俊と実南は、渋谷駅の方へ歩き出した
実南は相変わらず雑踏が苦手で、渋谷から田園都市線に乗った

まだ都内をロクに知らない
実南は阿蘇の夢を良く見るという

秀俊が、二子玉の高島屋の屋上はどうだと尋ねたら、どうせ行くなら高尾山とか丹沢の方を歩くとかが良いと実南は言う

どうしても馴染めないのだ
実南は就職は九州の方が良いと言う
東京ではどうしても上手く行かない

少し都内にある里山でも歩くか?と秀俊が聞いたら、都内にそんなのあるの?期待はしないけど行こうか、と実南は承諾した

溝の口で南武線に乗り換え、また更に乗り換えて、某駅で降りた

秀俊は、この辺りに何回かクロカンのつもりで、ここまで走りに来たことがあるらしかった

わあ~、綺麗ね、都内にもまだ田舎があるんだ
今度から私も連れてきて、と実南は少し明るくなった

そりゃ、九州には負ける、阿蘇ほどじゃないかも知れない、しかし都内に残してくれる方々にはリスペクトする、と秀俊は言った
秀俊は続ける
俺も23区内はまだまだ馴染んでなくてね、しかしそれを言ってもどうしようもない、友達も出来たし

実南は100円の無人販売野菜類を見ている
こんなの都内にあるって知らなかった、と感心していた

しばらく歩いて気分転換だ
今日も練習あるから、あんまり歩けないけど
綾奈と鏡とで行ってきなよ
秀俊もほっとしたような気持ちになった