6月初めのとある陸上大会
男子10000メートル
実業団所属のケニア出身のヘンリー・ヌグシ選手が8800メートルでスパート、急激なスピードの変わり具合に実業団選手はついて行けない
しかし、秀俊がヌグシに追いつき、その後聡も追いついた
まさかの展開に場内は沸く
まだ18才の2人の大学生の踏ん張りに
ヌグシは懸命にスパートをかけるが、2人が離れない
もしくは離れても追いついてくる
聡と秀俊はヌグシの背後にぴったりついて、プレッシャーをかける
再三再四、いやもっと実業団に所属するヌグシは揺さぶりを掛けていたが、秀俊と聡がスパートをかけた時には、既に残された力はなかった
聡と秀俊は9600で2人きりで先頭に立ち、またお互いにスパート合戦となり、最後の100メートルで秀俊が勝負をかけた
1位秀俊 27分13秒07
2位聡 27分16秒75
学生記録どころか日本記録をも2人は塗り替えてしまった
場内が沸いてる中、熊谷監督が聡と秀俊のもとへ走って行き、2人を抱きしめて喜んだ
新開は中津真吾と柴田文行と鏡と一緒に観客席で見ていたが、鳥肌が立った
「いいなあ、俺もあれぐらい行けたらなあ」
と、新開は武者震いしていた
「俺も箱根駅伝など学生三大駅伝走るのは、しばらく無理だな」
中津はため息が出た
鏡は、励ますために3人に言った
「いつかは君たち走れるよ。保証させてね。ただ、あの2人は別格。でも出たいとかつあ勝ちたいって思うなら、案外早く時期がやって来ると思う」
「ああ」
柴田は落ち着いて見たが、やはり震えが来た、あの9600で2人が抜け出したところで、そう鏡に告げた
熊谷監督は2人に抱きついたままで、赤水も祝福するためにゆっくりと3人の方へ向かって行った
秀俊は聡の粘り強さに畏怖を初めて感じた
あんなにスパートかけても聡は耐えた
ゴールまで油断出来なかった
俺ももっと練習しないと…
Android携帯からの投稿