マーガレットホテル064 | camouflage

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いつもの通り

今日の午後は100メートルダッシュだった
スピードを身につけるための

少しカラオケでもやるか、と夕食の時に監督コーチ陣で決めて、熊谷監督は酒が入った

三好コーチがまずトップで歌い出した

「♪ナンバーワンにはならなくてもいい」

三好コーチの十八番のようだった
熊谷監督は少し頭に来て聴いた
三好コーチも酒は入ってる

「♪オンリーワン♪」

「うっせえ!黙って歌え!」

熊谷監督に三好コーチは飛びかかろうとした

「いつも同じ歌ばっかり。たまには他の歌え!」

上級生部員数名と赤水コーチが止めに入った

聡の隣に座っている、細貝という先輩が、聡に

「熊谷監督と三好コーチは酒癖悪いからなあ、見てみろビール瓶が散乱してる。お前らハタチになっても酒は止めとけよ」

聡は笑って

「そうします」

と、返した

「俺、カラオケボックス行った事ないんだよ。どうすればいい?」

と、聡に秀俊が聞いた
珍しく動揺していた

「ん?適当に恋するフォーチュン何とかでも歌えばいいじゃん」

「そんな歌知らないよ。何かないか?」

「お前、AKB48って知ってるのか?」

「いや、知らない」

次は新開が、スーパーベルズの名鉄犬山線を歌う

「すごいなあ、あいつ本当に車掌っぽくラップしてやがる。ここはバスオタとかそんな奴ばかりだな」

聡が新開を見て、次に綾奈を見た
綾奈は必死に鏡たちとぶ厚いリストを見て歌を探していた

奇をてらわなくてもいいから、何か適当に歌おうっと
聡はそう考えて曲リストを見ていた


「♪蔦の絡まるチャペールで、祈りを捧げた日」

聡はペギー葉山という方の学生時代なる曲を歌っていた

「おお、青学をモチーフにした歌だ。良く知ってたな」

「さすが青学生」

新開や秀俊たちはなるほど、と思った
多分1960年代の曲だと思われる

「♪学生時代ー」

熊谷監督が

「いいぞ、三ツ境!俺も青学出身の端くれだ。みんなで輪になって肩組んで合唱するぞ!立て!」

と、言い出し肩組んで続きを合唱した


「しかし明日も練習があるっていうのに、熊谷監督の大丈夫かな」

秀俊は泥酔している熊谷監督を見ながら、
不安に思った
ストレス、やっぱりあるんだな


そして翌朝を迎え、顔を洗っていたら
熊谷監督が夕べのツケが来て、苦しそうに吐いていた

「おはようございます監督」

聡が挨拶したら、熊谷監督は苦しそうに

「もう、酒は止めないと。苦しい」

と、言ったあと、また吐いていた














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