綾奈と聡は博多駅の阪急にいた
2人で買い物に来たのだが、迷ってしまった
「あ、新開くんと鏡だ」
新開と鏡が一緒にいた
「よす。明神さんと君が三ツ境くんだよね」
鏡は気まずそうに新開の後ろに逃げた
「私の名前、覚えてたの?新開くん」
「一年の時クラスメートだったやん。久し振り。俺、人の名前は忘れないから」
「何?付き合ってんの?」
「ああ、付き合ってる」
2人は鏡を警戒した
また、何か起きないかと
新開が更に続ける
「鏡は悪かったと思ってるよ。そしてもう狩りは止めたらしい。反省してる」
鏡は新開の後ろで怯えていた
「最近は鏡は受験勉強、真面目にやってる
。青学に入って、頑張るんだって。俺も青学、入るからなんだけど」
「え?私ら2人も青学だよ?」
「え?一緒?」
「私と聡、推薦だけど、君も?」
「じゃ、よろしくってことか。三ツ境くんもよろしく。三ツ境くん、陸上?」
「新開くんは野球か、甲子園で応援したよ」
新開は明るいよなあ
聡にはそう見えた
「ほれ、鏡も何か言え」
鏡はようやく綾奈と聡の方を見て
「ご、ごめんなさい…。許さなくてもいいから…。男の子狩るの止めたよ」
それだけ言うのに、時間がかかった
何か可哀想になった2人だった
「受験勉強頑張って、新開くんと仲良く」
綾奈が言うと、聡も
「まあ、受かったら良いな。頑張れ」
2人はこう言うしかなかった
聡は、新開って心の広い奴なんだなあ、と好感を持った
綾奈は、新開を優しく、鏡には相応しい男子だと感じた