塀の中ちょっと覗いてきました!
プロデューサー(オンナのほう)の津田環です。
番組に出演していただく方々と、事前にお会いして打ち合わせをさせていただいたりします。
今回の「塀の中みてきました」でも、お時間をいただきました。
なにしろ「塀の中」なので、いわゆる、たまにニュース番組などでやる「女性刑務所」特集とか、
または、某ラーメンなども作る大御所女優さんが牢名主として君臨するドラマや、
女性じゃないけど「プリズンブレイク」等を思い浮かべておりました。
お会いしましたら、まあなんと、みなさんお美しくて、朗らかで、優しい女性たちですよ。
キップがいいといいますか、惜しみなく、明快にその体験を語ってくれました。
しかし、明るく話してくれる、その半生たるや・・・
もうねー、まずなかなか刑務所までたどりつかないんですよ!
刑務所に入る前の人生が壮絶すぎて、淡々と語ってくださるんですが、
どのエピソードもすごすぎて、わたしの中で「牢名主ドラマ」や「プリズンブレイク」は速攻でふっとびました。
到底これらのすべてが、ひとりの女性の人生で起こったとは思えません、というレベル。
生い立ちというのはすごいですよ。
もうとにかく、親、男、金、酒、薬、病気・・・彼女たちに、これでもか、これでもかとトラブルが襲いかかってくるんですね。常に生と死のギリギリのラインを渡ってるのですが、本人たちは、
とにかく目の前の抗いようのない逆境のようなものを生き抜いていく。
覚せい剤を”やっていない”ひとが周りにひとりもいなかった、ような環境を、どうやって生きていけばいいって・・・
わたし何度も「よくぞ生きて、いまわたしの目の前にいますね」て言いましたもん。
同じ境遇にいたら、わたしもそういう生き方をしていただろうな、と思わずにはいられませんでした。
もちろん、罪は罪なので、反社会的な悪いことをした、という厳然たる事実はあるわけです。
その罰として「塀の中」をみてきたのです。
ひとにとって、自由を奪われるというのはとても厳しい罰です。
そして「塀の中」でもずっと苦しみ続ける。
地獄をみてきた、そう何度も。
しかしいま、彼女たちの話は、不思議なことに「不幸」を感じさせません。
実際に、苦難も多い人生を嘆いたひとはひとりもいませんでした。
もちろんこれまでに一生分以上に、泣きわめき、
何度も消えてしまいたいと思ったことでしょうが。
それは彼女たちがとにかく「生きる」ということに必死だからかもしれないです。
とかく「生きる」ことについて希薄というか、つらくなっちゃったりする昨今、
こんなに、どんなにボロボロになっても、つらくても、どん底をみても、何度死のうと思っても、
不死鳥のように復活して、とにかく「生きる」に貪欲であるという。
「生きる」ことの意味なんてわからないのですが。
彼女たちからは、何度も生まれ変われる底知れないパワーみたいなものを感じました。
もちろん犯罪の種類によるところもあるし、何度も何度も出戻り、
迷路から脱することができないひともたくさんいますから、難しいところです。
ただ彼女たちの言葉を聞くと、絶望のなかから希望が生まれると信じることができます。
#52「塀の中みてきました」
【視聴予約はこちら】9月1日(土)23時00分~24時00分
【視聴予約はこちら】9月2日(日)17時00分〜18時00分
【視聴予約はこちら】9月2日(日)26時00分〜27時00分
【MC】
SHELLY
【リアル経験者】
放送をお楽しみに
【取材者】
田中ひかる(歴史社会学者・女性の犯罪を研究)
塩田祐子(NPO法人監獄人権センター)
鈴木円香(「ウートピ」編集長)
【ナレーター】
北原里英
見てくださいね!では。