【公開日】                     2014年10月18日


【あらすじ】


『メアリー・キャサリン』は、研究者の父親と暮らす為、森の奥地にある彼の家を訪れるが、研究に没頭している父親の態度に嫌気が差し、家を出て行こうとする。

そんな中、森で瀕死の小さな人間を発見する。

秘密の国の女王だと言う彼女から謎の花の蕾を託されたメアリーは、突然体が小さくなってしまう。

女王に仕える兵士『リーフマン』から、この『生命の蕾』が、悪の勢力『ボーガン』に渡ると森が滅びてしまうと聞いたメアリーは、彼らと共に戦う事を決意する。

森の未来を救う為、ボーガンのリーダー・『マンドレイク』を倒す為、メアリー達の壮大な冒険が始まった。









【感想】


『アイス・エイジ』の監督と『怪盗グルーの月泥棒』・『モンスターズ・ユニバースシティ』のスタックで製作されたファンタジー・アドベンチャ作品。

しかし、何と言っても上映館が圧倒的に少ない(イオン系だけ?)ので、自分も気付かなければ恐らくスルーしていたと思われる。

日本語吹き替え版のみの公開になっているのは、個人的には不満要素ではあるが、それでも日本からは、高垣彩陽さん・小野大輔さん・小山力也さん等実力派の声優さんが吹き替えを担当しているので、抵抗無く観賞出来たし、率直な感想としては面白かった。

言ってみれば、アメリカ版の『アリエッティ』と思えば良いのかな?

『借りぐらしのアリエッティ』は、最初から小人だったのに対して、この作品は主人公が『小さくなってしまう』と言う相違点はある。

リアルで圧倒的な映像美のCGも去る事ながら、葉っぱ一枚一枚や鹿の角であったり細かい描写が非常にリアルである。

普段は?観る事の出来ない森の世界を描いたファンタジー作品であるが、この作品には『魔法?』が出て来るのは、主人公であるメアリーが小さくなる時と、元の体に戻る時だけである。

主人公であり、ヒロインでもあるメアリーは至って普通の女の子であると言うのがポイントでもある。

自分の住んでる世界だけが真実ではなく、見えない世界にも生きるための争いが起こっている事を描いているが、元々、このメアリーと言う主人公は、母親を亡くし悲しみに暮れている時に、父親を頼って移住してくるのだが、虫達?の世界でも肉親じゃなくても愛する者を亡くして悲しみに暮れる一方で、現実を受け止めて、未来に向かって前に進もうとする姿が描かれている。

父親がペットである愛犬は、足を一本無くし三本足になったにも関わらず無邪気に駆け回る姿が立場が違うが、上手く表現されてもいる。

虫達?の愛する者とは『女王』である。

この女王は、新たな蕾を見つけ、王位継承者を探し出し森に新たな生命を生み出す力を持っている。

簡単に言えば、自然の法則である。

その一方で、この作品では『悪』と言う事になるが暗闇で生活する蛾?や蝙蝠?達にとっては明るい世界程苦手な場所がない・・・・そのために、女王の命を狙う(最終的には命を落とす)のである。

女王の生命の力を失った森は、焼け野原の様になってしまう。因みに~アメリカ版の女王の声はビヨンセである。

森に偶然迷い込んだメアリーが、光る蕾を手にした所で、物語は一気にスピードアップして行くが、冒頭の場面も最後には繋がってるので、目を放さずに観る事をお勧めする。

何故メアリーが小さくなった?とか何故メアリーに蕾を託したのか?とか言う細かい理由は描かれていないので、観る側の想像力次第と言う事にはなる。

小人になったメアリーが父親の研究室を訪ねる場面は中盤のクライマックスにもなっているが、この小人になったメアリーからの視点が非常に笑える。

小人の世界では人間の事を『ドタドタ踏みつける者』として認識されていて、尚且つ踏まれれば命を落とす危険な存在であるらしい~。

ただ~小人の世界では時間が人間よりも速く進むらしいので、言葉なんかも人間は遅い。

秘密の王国にいる王子様的な役割のリーフマン(ノッド)との種族を超えた淡いロマンス・父親との親子愛・愛犬との触れ合い・そして最後は王子様との熱い抱擁とキスでお別れと言うファンタジー王道。

アクションも見応え十分。

そして、未体験の冒険を通す事で、自分の未来をに対して前向きに生きる事の大切さも描いた成長物語でもある。

当然、観る人にとっては感じ方は違うと思うが、家族で楽しめる作品になっています。

最初にも書いたが、圧倒的に上映館が少ないので、知らない内に上映期間が終了している事も考えられるので、DVDで十分なのかな?

カタツムリとナメクジ?の軟体動物?による日本語らしい掛け合いも笑えます。

新たな女王が誕生する瞬間も『なるほど~』と思ってしまうし、元の姿に戻ったメアリーと森の住人達との関係性が失われていない綺麗で爽やかな終わり方も納得です。

しかし~森の守護者である『リーフマン』は~何の昆虫だったのだろう??

悪役である『ボーガン』と言うキャラもユーモアたっぷりで憎めない感じなのが好印象。










森の女王である~アメリカ版の女王の声を担当しているのは歌姫ビヨンセであるが~何となく似てる??