いくつか載せたL'sコーポレーションの

新兵器シリーズ?です

今回は現実に米海軍が開発中止を繰り返している

次世代型フリゲート艦にしました

フリゲート艦が潜水するとか荒唐無稽ですが

ロマンだなぁ~とは思いますね 苦笑

 

 

# 海の変容者

太平洋の青い水平線が、
艦橋の窓いっぱいに広がっていた。

全長約150メートルのステルス艦は、
まるで海面を滑るように疾走していた。
鋭角的な船体、
レーダー反射を最小限に抑えた特異なシルエット
——それは従来の軍艦とは明らかに一線を画す姿だった。

艦橋には三人の人物がいた。
艦長のジョンソン中佐、
米海軍太平洋艦隊のウィリアムズ司令官、
そしてL'sコーポレーションの技術担当官、
リサ・チェン。

「現在40ノット」航海長が報告する。

チェンは艦長に視線を向けた。

「艦長、増速をお願いします」

ジョンソンが短く頷き、機関室に指示を出す。
エンジン音の変化はほとんど感じられなかった。
だが速度計の数字は見る見るうちに上昇していく。
45ノット、48ノット、
そして50ノットを超えた。

ウィリアムズ司令官は驚きを隠せずにいた。
この大きさの艦艇が小型高速艇並みの速さで走っている。
それなのに艦内の揺れは最小限だ。
コーヒーカップの水面がわずかに波立つ程度でしかない。

「日本の新幹線並みでしょう?」
チェンが微笑んだ。

司令官は無言で頷いた。
レポートでは読んでいた。
だが数字と実際に体験することとは、
まったく別物だった。

「司令官、とっておきをお見せしましょう」

チェンの目が光った。彼女は艦長に向き直る。

「フィールド展開をお願いします」

ジョンソン艦長が躊躇なくコマンドを入力する。
船体を覆う特殊フィールドが起動した。
外部センサーの映像が微かに歪む。

そして艦長が、
フリゲート艦ではありえない指示を口にした。

「急速潜航」

一瞬、艦橋が静まり返った。

次の瞬間、船体が傾き始めた。
水平線が上昇していく。
いや——艦が沈んでいるのだ。
海面が艦橋の窓を覆い、青い光が船内に満ちた。

深度計が動く。
10メートル、20メートル、30メートル。

驚くべきことに、速度計の数字は落ちなかった。
50ノット以上の速力を維持したまま、
フリゲート艦は海中を進んでいく。

ウィリアムズ司令官の目が見開かれていた。
両手で手すりを掴み、窓の外の深い青を見つめている。
半信半疑だった。
レポートを読んだときも、
ブリーフィングを受けたときも。
だが今、自分はその不可能を体験している。

「これで米海軍の戦術の幅は大きく広がると思います」

チェンの声が静かに響いた。

「フィールドは水の抵抗を
ほぼゼロにするだけではありません。
海上走行中は艦体を光学的に
見えづらくする効果もあります。
レーダーステルスと組み合わせれば、
敵にとってこの艦を発見することは極めて困難です」

彼女は続けた。

「このフリゲート艦は、一隻でフリゲート艦と
巡航ミサイル搭載潜水艦、二艦の役割を果たせます。
水上でも水中でも戦えます。
敵には何が来ているのかさえ分からない」

司令官はゆっくりと振り返った。

米海軍は長年、フリゲート艦の建造に苦戦してきた。
予算超過、設計変更、遅延。
同盟国の海軍が次々と新型艦を就役させる中、
アメリカだけが立ち遅れていた。

だがこの艦は違う。

L'sコーポレーションの革新的技術
——彼らはそれを「フィールド技術」と呼んでいた——が、
すべてを変えた。
水の抵抗を制御し、船体を保護し、
艦を水中でも水上でも自在に機動させる。

「救世主だ」

司令官がつぶやいた。

チェンは彼の表情を読み取り、小さく息をついた。
安堵が胸に広がる。
この瞬間のために、
彼女と開発チームは三年を費やしてきた。

「浮上します」ジョンソン艦長が指示を出す。

船体が傾きを戻し、上昇を始めた。
やがて艦橋が海面を突き破り、
太平洋の光が戻ってくる。

ウィリアムズ司令官は窓の外を見つめたまま、
静かに言った。

「海が、変わるな」

チェンは頷いた。

海は変わる。
戦い方が変わる。
そしてこの艦が、その最初の一歩になるのだ。

ステルス艦は再び水平線に向かって加速した。
未来へと向かって。