Commentary for From Loud 2 Low SUN #01 | 光吉猛修 Official

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ついに発売されたセガのサウンドクリエイター光吉猛修渾身の3rdアルバム『From Loud 2 Low SUN』!
ゲーマーなら感涙モノのアルバム製作の裏話、当時のエピソードを本人がアツく語るブログ!

TRACK-01 "The Fist of Wave Motion SUN Burst Mix"

【Tribute Albumでのアレンジ秘話】
御存知、Street Fighter 2、RYUのテーマです。元々、この曲のアレンジ自体は2003年に発売された「Street Fighter Tribute Album」で私自身がボーカルアレンジとして収録させて頂いたものでした。


当時、このアルバムの仕切りをしていたのが、実はこの頃から親しくさせて頂いておりました細江さんでして、氏がお声掛けしたアレンジ陣がまた凄かった。シェンムーの頃、一緒に徹夜して会社に泊まり、私が勝手に戦友と呼ばせて頂いている古代祐三さん、SSTの時代にお世話になった古川もとあきさん、おとやでご一緒させて頂いた光田さん等、蒼々たる面々。。あげくは作曲者の下村さんまで入ってるじゃないですか(汗


これは皆さんのレベルに少なくとも到達する為に、何かアレンジする上で一ひねりしないといけないっ!と、そう思い始めてから、実はアレンジに手をつける迄、時間が掛かっていました。


それともう一つ、誰がどの曲のアレンジをするか、と言う所で、細江さんがそれぞれのアレンジャーに希望をとって下さったんですね。早い者勝ちです、と言う前提で。あろう事か、私は、RYUのテーマ、と言う主人公級のキャラクターを選んでしまいまして。。逃げ場無し。でも、当時、PCエンジンでこのゲームを弟と遊んでいた頃、この曲の印象が鮮烈に残っていまして、迷う事無く選んだ訳、ですが、それも含めて、アレンジをどうしようか、と更に悩む日々が続いたわけです。

締切の日は近づく、皆さんはどんなアレンジにしているか全くわからない、うわーーー!みたいな中、状況としてはいつぞやのあの頃に似ていました。Ridge Racerに勝つには歌入れるしかないっ!そうです、歌ものにしよう、と。いや,昔の話しですよ。で、思い立ってしまったが最後、歌詞どうするんだ、とか、コーラスは?とかですね、
別の悩みが登場するわけです。。


確か当時、このRYUのテーマのボーカルアレンジが複数あったと記憶しています。聞いたのが日本語の歌詞でした。世界遺産の作曲者でありギタリストの鳥山雄司さんもアレンジされていたかと思います。それはたしかインストでしたね。



で、それと差別化する為+翻訳サービス使ってみたい、と言う利害(?)が一致、後に物議をかもすとも知らず、自身で作った日本語の歌詞を全部(全部ですよ!?)翻訳して歌ってしまいました。。

かくして、日本人が歌う、めちゃくちゃ英詞のアレンジが完成した訳です。。
合掌。あ、南無~か。


【で、皆さんにはどうだったのか?】

御陰様で、海外の方からのアレンジの評価は頂けたものの「何を言ってるのかまったくわからない」との弁を頂きまして、事の重大さに気付くも、時既に遅し、今回アレンジを頂いた海田さんに至っては、SUN Burst Mixの意味を確認するにあたり(彼女は英語堪能なので)「歌詞がめちゃくちゃなんで、今更、サブタイトルがどうかとか、いいんじゃないですか?」と言われてしまう始末。。で、ですよね…汗

ただ、このアレンジ自体は非常に皆さんには気に入って頂けまして、事ある毎に、ライブでの歌唱を所望される声が多く、それを受けて、「おとや」と言うゲームサウンドクリエイターで構成されたニコ生の番組で、初の(カラオケバックですが)歌唱をしてみたところ、やはり反響は絶大。原曲の凄まじさを痛感するも、これはいつか自信のボーカルアルバムに入れたい!ずーっとそう思っていたわけです。




【SUN Burst Mix】
今回のアルバムの構想時、この曲は既に入っておりました。収録にあたって、勿論、セガの楽曲ではないので調整が必要な事は周知で、アルバム担当者の方に動いて頂いておりました。

と言う訳で当初は、そのまま、当時のトリビュートアルバムでアレンジされたものを収録しよう、と考えていたのですが、実は私の中にもう一つ野望がありまして…それは


「いつかお友達のサウンドクリエイターの皆様に自分のボーカル曲のアレンジをして頂いたアルバムを出すっ!」



でして、そうですね、From Loud 2 Low 5くらいではやりたいですがw、今回、その布石を打てないかな、と。その第1弾として相応しく、この曲をアレンジする意味のある方を探していた所、元カプコンのサウンドであり、光吉の熱(苦し)い歌を中和してくれる様なアレンジをしてくれるのは彼女しかいない!と言う事で急遽、海田さんに連絡、ぶっちゃけ急襲的なスケジュールにも関わらず快諾して下さいました。



そして、良いアレンジに仕上がってます。アレンジする上で海田さんに御願いした事はたった一つ、

「僕の歌の素材を使って下さい」


それだけでした。後は好きにやってもらおうと。意外と縛りがないと難しい時もあったりするので逆に困らせてしまったかな、と思ったりもしましたが、心配無用でした!


かくして、アルバムの1曲目を飾るに相応しい、初夏を感じさせる楽曲が誕生しました!そんなバックストーリーを思い浮かべつつ聞いて頂けば、と思う次第です!