少ししてジュリさんから着信が来た
電話なんてしてきて・・リョウちゃんが帰ってきたはずなのに・・・
『もしもし?』
『ユイさん
いまリョウ出かけて行ったから
ユイさんにすぐ電話するんじゃないの?』
ジュリさんがそう話している間に
リョウちゃんからのキャッチが入った・・
電話に出たところでわたしはリョウちゃんと何を話せばいいかわからなかった
ジュリさんから連絡が来たことは言ってはいけない
だからリョウちゃんから話しを聞くこともできない
『リョウちゃんと話すことないから出ないよ・・』
そう言うと
『リョウの電話出てよ!
リョウが変に思うでしょ!
でもユイさんと何の話しするんでしょうね!?
今あたしとエッチして出かけて行ったのに!
一緒にお風呂入りたいって言うから
一緒に入ってエッチしたんですよ!
じゃあリョウの電話出てくださいね!』
ジュリさんは楽しそうに笑いながら
電話を切った・・
わたしだってそんな事聞かされたら傷つくよ
どうしてそんなことをまた言うんだろう・・
リョウちゃんが同棲しようとまで思った人は
そんなこと平気で言わないような人がよかったな・・
でもすでにリョウちゃんからのキャッチも切れていた
またリョウちゃんから着信がきた・・
わたしが電話にでないと変に思われるのか・・
『もしもし・・』
出てみたけど、もしもし以外なにも言葉が出なかった・・
『もしもし
今日ごめんな、完璧潰れたー!
ユイ寝てた?
着信もないし
電話でないからさ~
さっき結構鳴らしたんだけど』
いつもと変わらないリョウちゃんの声だった・・
泣きそうになったけど一生懸命に我慢した
『ぁ、ごめんね
お風呂に入ってて
気づかなかった・・』
とっさに嘘をついてしまった
『いいなー風呂か
俺 時間なくて風呂入ってねー
一応髪だけ洗ったけど髪びしょびしょだし
カラダくせーとか言われるかな・・笑』
髪だけ・・・・お風呂入ってない・・
ジュリさんの言ってることと違う・・・
でもリョウちゃんの言葉も
もうわたしには信じることが難しかった
こんなのもうイヤだ・・・
『そうなんだ・・』
わたしは泣きそうになるのを我慢し
一生懸命笑おうとした・・
でも言葉少ないわたしに
『どうした?
今日は元気ないな?
眠いのか?』
って・・・
リョウちゃん・・どうしたって聞かないで・・
優しくしなくていいから・・
もう声を出して泣き出したかった・・
わたしはまたどう答えていいのかもわからなくなってしまい・・
『なんでもないよ
いま寝てたから寝ぼけてるだけだよ・・』
『寝てた?
ユイさっき風呂って言ってたよな?
マジ大丈夫かよ・・?笑
眠いなら早く寝なよ
明後日は一緒に出かけるしな
迎えに行くからな』
嘘を間違えてしまった・・逆にリョウちゃんに変に思われてる・・・
『明後日・・・?』
『はー?
ユイ、お前マジで大丈夫?
明後日マンション契約だろ?
お前、熱でもあんじゃないの?
忘れたとか言われたら俺マジでへこむよ!
俺、立ち直れなくなるからね』
リョウちゃん・・
すべてを知ってしまったわたしのほうが立ち直れないかもだよ・・
『ぇ、ちゃんと覚えてるよ・・
忘れるわけないでしょ・・』
わたしは一生懸命、笑顔で答えた
リョウちゃんにわたしの顔が見えるわけでもないのにね
電話の向こうのリョウちゃんに悟られないように・・
『じゃ、店ついたから
いってくるよ
早く寝な、終わったら電話するからな』
そう言い電話を切るリョウちゃんは
本当にいつもと変わらなかった・・
どうしよう・・
今日のジュリさんからの連絡で
動揺してしまっていたわたしは
マンションのこともリョウちゃんとの約束も
頭から飛んでしまっていた
リョウちゃんになんて言えばいいの・・
一緒に暮らせない・・って
理由を聞かれたらなんて言えばいいの・・・
リョウちゃんに隠し事をして嘘までついて喋るのも苦しい・・
リョウちゃんはずっとわたしに嘘をついてて苦しくなかったのかな・・・
またジュリさんから着信がきた
『もしもし
電話終わった?
リョウなんだって?
ユイさんと普通に話してたんでしょ?
あたしとエッチした後なのに』
ジュリさんはクスっと笑いながら話しだした
さっきまで別れると言っていた人がそんな事するんだ・・
わたしはジュリさんの事も信じられなくなってきていた
『ジュリさん
そんなことは言わなくていいよ
リョウちゃんはそういう二人の大切な事を他に話されるのはイヤがるよ・・
同棲してるってだけで
だいたいのことはわかるからもういいよ・・
あと、ジュリさんとわたしがお話したこと
リョウちゃんに話したらダメ?
秘密のままじゃ
わたしがリョウちゃんと話しがつけられないのよ・・
わたしからジュリさんに連絡したって事にするから
リョウちゃんに話してもいい?』
またジュリさんが怒り出すかもしれない
でもずっと二人で話してても状況は何も変わらない
けど、ジュリさんにはわたしの思いは伝わらなかった・・
『あたし
別に自分が悪者になるのがイヤで
リョウに言わないでって言ったわけじゃないですからね!
あたし感謝されてもいい立場だけど!
何も知らないで騙されてるユイさんに教えてあげたんだから!
あたしが電話しなかったら
ユイさん騙されたままでしょ?
騙されてマンション契約させられて
宿カノにされるとこだったんだよ!!』
宿カノ・・・?
なにそれ・・・・・
はじめて聞く言葉・・・
『宿カノ・・?
それなぁに?』
わたしが質問すると
興奮していたジュリさんが一瞬黙った
『ユイさんホントに何も知らないの?
サイトとか観ないの?』
サイト・・・・?
『サイトってなに?
本当に何も知らない
宿カノにされるって何?
どういうことなの?』
本当に何もわからないわたしに唖然としてしまったのか
ジュリさんがおとなしくなってしまった・・
『ジュリさん?
それはなぁに?わたしにも教えて・・』
『う・・ん・・』
ジュリさんは
なんだかとても言いたくなさそうな感じだった・・
『サイトってのは・・
ホストのサイトがあるんだよ・・
宿カノは・・・
付き合ってると思わせて
その彼女の家に住み着いたりすること・・』
ジュリさんはそう言うと
そのまま黙り込んでしまった
そんなことがあるなんて・・・
『でも契約するのはリョウちゃんだよ・・』
わたしのその言葉にジュリさんは怒りをあらわにした
『リョウが契約者!?
嘘言わないでよ!!
ホストが契約できるわけないじゃん!
じゃあ保証人にでもされんじゃないの!?』
保証人にはリョウちゃんのお父さんがなってくれる事になっている・・
でもジュリさんの怖さにそれは言い出せなかった・・・
『ユイさんね、騙されてるってこと
まだよくわかってないでしょ?
あとは・・、店の従業員がグルの時もあるよ・・
俺の彼女って従業員にも紹介されたら安心するでしょ?
ユイさん従業員に紹介されてるんでしょ?
それみんなグルだと思うよ!
みんなに騙されてるんだよ!!』
またジュリさんの言い方がさらに強くなってきた・・
『契約のお金はどうなってんの!?
ユイさんが出すの?』
トモカにも前に同じ質問をされた気がする・・・
『リョウちゃんと半分づつだよ・・』
そう答えると
またジュリさんは黙り込んでしまった・・