わたしはこの時


ジュリさんの気持ちを考える心の余裕もなかったんだろうね・・・・



耳元ではジュリさんを呼び出すコール音が鳴っている



『ハイ!もしもーし、ユイさーん!?


 元気でした?


 連絡待ってたんですよー!』




久しぶりに聞くジュリさんの声は



わたしの予想に反して、とても明るい声だった・・・・



『うん・・


 久しぶり、元気だったよ!』



わたしも負けずに元気なふりをしたのをよく覚えている・・・・




『今ちょうど仕事終わってタクシー乗るんですよ


 家ついたらかけなおしていいですか?


 

10分くらいでつきますから!


 話したい事たくさんあるんです!』




ジュリさんはいつでもわたしに話したい事が沢山あるんだね・・・・




一旦電話を切り



わたしはジュリさんからの連絡を待った・・・・



ジュリさんにちゃんと伝えよう・・・


リョウちゃんとまだ離れられない事を・・・・



隠れて関係を続けてるみたいな状態がとてもイヤだから・・・。




家についたジュリさんからはすぐに着信がきた



『もしもしユイさーん、おまたせですー


 もうめっちゃ声聞きたかったですよー!


 ユイさんと連絡取れなくなったあと反省したんですよー

 

 ホントあの時はごめんなさい・・・』




『うん・・・大丈夫だよ


 わたしのほうこそいろいろ聞かせてもらえてよかったよ』





これもわたしの強がりから出た言葉だ・・・本当は何も知りたくなかったよ・・・




あまりにもわたしからの連絡に喜ぶジュリさんに



わたしはリョウちゃんとの事を言い出しにくくなってきた・・・・




ジュリさんはそんなわたしを気にもとめずにリョウちゃんとの出来事を話し出した




『あたしネ、あの後リョウを追い出したんですよ!笑


 追い出したっていうか、


 かなりひどい感じだったんですけどね、

 

 もうリョウの最低な部分見ましたよ!


 まじであいつ最低ですね!』




『うん・・・』



わたしはそれしか言葉が出なかった・・・・




きっとジュリさんは、


わたしもリョウちゃんと別れたと思っている・・・・・・



このまま何も言わずに電話を切ろうかな・・・・・




言葉少ななわたしに


ジュリさんからの質問が飛んできた




『ユイさん・・?


 ユイさんはリョウとはどうなったの・・?』




言葉に詰まるわたしにジュリさんは何かを感じたのかな・・・





『大丈夫ですよ、ユイさん話してください


もしかして、リョウとまだ付き合ってるの・・?』



『ぅ・・・ん・・


 付き合ってるっていうか


 どうしていいかわからなくて・・・・


 保留中っていうか・・・・』




わたしは言葉を濁し訳の分からないことをジュリさんに言ってしまった・・・




『あは・・・


 そうだったんだ・・・』



ジュリさんからのため息まじりの言葉だった・・・・




『てっきりユイさんはリョウと別れたんだと思ってましたよ・・


 

サイトのリョウの欄も、


 うわの空とかやる気なさそうとか書いてあったから


 ユイさんと別れて落ち込んでるんだと思った・・・』





『そうなんだ・・・・ごめんね・・』





『リョウはやめたほうがいいよ・・・


 あいつ自分の事しか考えてないよ・・


 ホストじゃなくて普通の男選んだほうがいいよ・・・』




『ぅん・・・・・』





『あ、あたしがクチ出す事じゃないよね


 でも、ユイさん病むよ・・・


 まだリョウのことを好きだからこう言ってるとかじゃないからね


 もうキライだし・・・あんな最低な奴・・』




そう言いながらジュリさんが泣き声になったのがわかった・・・・




ジュリさんはまだリョウちゃんの事が好きなんだろうな・・・・



今度はわたしがジュリさんを傷つけてしまっていた・・・・




『ジュリさん・・ごめんね・・


 大丈夫・・?』




『やだなもーー!笑


 大丈夫ですよ!


 ユイさんさっきからごめんねばっかり!


 ユイさんが悪いんじゃないじゃん


 たしかに急にリョウがいなくなって淋しいのはあったけど、


 あたしはあんな奴とやり直せないし


 最後ひどかったんですよ!

 

 あんな鬼みたいな顔をするリョウをはじめて見ましたよ!


 殺されるかと思ったし!


 あたしとの事なんて無かったかのように


 あっさり出て行ったし・・・


 ひどいでしょ・・・』





『ぅん・・・そうなんだ・・ごめんね・・』




『あーユイさんごめんね


 彼氏の文句言われたら気分悪いよね・・笑


 てかもう謝らないでよ・・・



 あたしはもうリョウと連絡とか取ってないから大丈夫ですよ』





・・・・



もう連絡を取っていない・・・・




ジュリさんのその言葉を聞き




わたしは自分の本心に気づいた・・・・



その言葉を聞いた瞬間、安心する自分がいたから・・・・・




結局


リョウちゃんの言葉をまったく信じられなくなってしまったわたしは




隠れて続いてるみたいなのがイヤなのと表面上はそんな綺麗事を盾にして




心の奥底ではジュリさんからのその言葉が聞きたくて




もうジュリさんとは本当に終わった事を確認したかったのかな・・・・



ずるい心だね・・・・