
数年前の話でありますが、ポール牧にそっくりな上司がおりました。
とにかく悉く反が合わないんです。どこか見下したような感じでした。
ちょうど今ごろの季節でした。
忘年会がありましたから同席したわけです。
庭に池がある料亭でありました。
『無礼講で行こうじゃないか…なっ』
その言葉に一斉に盛り上がりました。
飲むわ食うわの大騒ぎ
そこで仲間がこう切り出しました…
『お前…ポール(上司)の前で指パッチン出来っか?』
『殺されるに決まってんだろ!』
やがて私に同じ質問が…
矢継ぎ早にこう答えたのです。
『余裕だね。オレなら出来る。出来るに決まってるだろう!』と。
そうなれば『やってみせろ!』となるわけであります。
『いいよ。じゃあ、やり遂げたら焼肉な!』と同意を取り
和気藹々と酒を酌み交わす上司の前へ…
5mまで近づいた時に振り返ると、仲間が手で追い払うように『早く行け!』のサイン
意を決して両手で指パッチんをしながら接近しました。
その途端です。
自分が『ポール』呼ばれているのを知っていたのですね。
立ち上がったと思ったら目をひん剥いて
『てめぇ~』っと来たのです。
時すでに遅し、または後の祭り
『窓を開けろ~』の声に、行けとそそのかした奴らが『はいっ!』
裏切りやがったな!と思うも脇を抱えられて窓へ突進
そのまま池へ放り投げられました。
ありがたいことに水泳は得意中の得意
綺麗な、まるで短魚雷発射の瞬間のように水しぶきも少ない、綺麗な飛び込みとなりました。
その日から当時の仲間から『人間魚雷』と言うあだ名を頂戴致しました。
それからは一切、こちらから口を利く事はなくなりましたが
そんな相手こそ,、離れても離れても何故か近くに転勤してくるんですよね。
以上、酒の席での失敗談でございました。