温もりのある空間 | 崖っぷち十番勝負

崖っぷち十番勝負

日々新又日新(ひびあらたにして、またひびにあらたなり)
我以外皆我師也(われいがいみなわがしなり)

 

昨夜は真っ直ぐに帰る気がしなかった。



ストレスは公私に渡り溜まるものですが、昨夜は特に堪えがたかった…



そんな時、必ず立ち寄る屋台がある。



職場の最寄り駅近くに出ている「おでん」の屋台だ。



風避けとして壁にされたシートを捲り、徐に中へ入ると屋台のオヤジ1人しかいなかった。



「久々だなぁ~寒かったろ?」




そう言いながら熱燗を出そうとするので「酒と煙草は止めたんだ」と告げると驚いていた。



すぐに「大根とゲソ、イイダコ!ウーロン茶!」と頼み、火鉢を足で挟み込むように椅子に腰を下ろした。




すぐに異変を察したようで「暴力装置」の話を振って来た。



オヤジは徐々にヒートアップして来た。
「だってよぅ、おめぇなんて俺の倅より若いんだぜ。そんなんがどんな想いであの言葉を聞いたかと思ったらよぅ…泣けてくるじゃんかよ」



おでんにつゆをかけるのに握っていたお玉を放り投げ、何とオヤジは号泣しはじめたのだ。



「クーデターはしたらいかん!でも、永田町を叩くなら俺も殴りに行くからよ!」




オヤジ…それを世間では「クーデター」と呼ぶんだよ(笑)




温もりを感じる一夜だった。