まず、1/18の日済新聞マーケット欄からの引用をお読み下さい。
米長期金利が低下し日米の金利差が縮小するとの観測から、円買い・ドル売りが優勢になった。
いかがでしょうか。
米長期金利(つまりドルを1年以上借りる時・預ける時の金利)が低下すると考えると、なぜ投資家は円買い・ドル売りに動くのか。
ドルの金利はいつでも、円の金利よりも高い。
もしドルの金利が上がれば(=日米の金利差が拡大すれば)、ドルの魅力が円に対して上がるので、円売り、ドル買い。
逆にこの記事のようにドルの金利が下がれば(=日米の金利差が縮小すれば)、ドルの魅力が円に対して下がるので、円買い・ドル売り。
この理解でもOKですが、さらに深く掘り下げてみましょう。
為替には先物(さきもの)取引、というものがありますね。
「3か月先とか、1年先とかに1ドルを100円と交換しましょう、などと、今のうちに将来の為替レートを予約してしまう取引」です。
そして円高・円安には、先物取引も大きく関わってくるのです。
その仕組みを理解するために、まず先物価格の決まり方をよく見てみましょう。
■先物価格の決まり方
今、1万円を持っている。
今の為替レート(直物(じきもの))は1ドル100円。円の金利は1%、ドルの金利は5%、と仮定します。(実際は今の金利はこんなに高くないですが。)
もしこれから1年間、円で預金すると、1年後には10,000円×1.01=10,100円がもらえますね。
一方、1万円を100ドルに換え1年間ドルで預金すると、1年後には100ドル×1.05=105ドルがもらえます。
このような状況で、もしも1年の先物が今の直物と同じ1ドル100円だとすると、どんなことが起こるでしょうか。
投資家は以下の戦略をとれば、確実に利益を得られます。
まず持っている1万円を100ドルに替え、ドルで預金する。
同時に1年先物で1年後に1ドルを100円に替える円買いドル売り予約をする。
1年後、
ドルの金利は5%なので、預金を下ろせば105ドルが得られます。そして先物で1ドルを100円に替える予約をしていたので、持っていたドルは、105×100=10,500円になる。
普通に円預金をした人は1年後に10,100円しか得られないのに対し、この投資家は確実に10,500円を得られるのです。
そうすると皆がこの取引をしようとしますよね。
誰も円預金などしません。皆がドル預金をし、先物で円買いドル売り予約をしようとする。
すると、先物価格は円高方向へ変わっていきますね。
価格はどこで落ち着くでしょうか。
皆が同じ戦略をとろうとするので、こんなおいしい戦略を使えるチャンスは一瞬でなくなるはずです。つまり、
「円で預金しても、ドルで預金しても、1年後に得る円が同じになる」ところで先物価格は決まるのです。
つまり、先物価格を”F”とすると、105×F=10,100・・・①
答えはF=96.19円となります。
先物価格は、直物価格と日米の金利差によって自動的に決まるのです。(★)
先ほどの逆です。ドルの金利が下がる(日米金利差が小さくなる)と、先ほどの戦略「先物の円売りドル買い」で1年後に儲ける確率は低くなる。だから投資家は先物で「円買いドル売り」に動く。
さらに先物価格は、先ほど言ったように、直物価格と密接に連動するのです。(★の所です。)
つまり先物で円買いドル売りに動く人が増えて先物が円高になると、直物も円高になります。先物が直物を引っ張ることもある、ということです。
こうして、「日米金利差縮小で円高へ」となるのです。
ドルの金利は5%なので、預金を下ろせば105ドルが得られます。そして先物で1ドルを100円に替える予約をしていたので、持っていたドルは、105×100=10,500円になる。
普通に円預金をした人は1年後に10,100円しか得られないのに対し、この投資家は確実に10,500円を得られるのです。
そうすると皆がこの取引をしようとしますよね。
誰も円預金などしません。皆がドル預金をし、先物で円買いドル売り予約をしようとする。
すると、先物価格は円高方向へ変わっていきますね。
価格はどこで落ち着くでしょうか。
皆が同じ戦略をとろうとするので、こんなおいしい戦略を使えるチャンスは一瞬でなくなるはずです。つまり、
「円で預金しても、ドルで預金しても、1年後に得る円が同じになる」ところで先物価格は決まるのです。
つまり、先物価格を”F”とすると、105×F=10,100・・・①
答えはF=96.19円となります。
先物価格は、直物価格と日米の金利差によって自動的に決まるのです。(★)
次に、今見てきた先物価格の決まり方を踏まえて、日米の金利差に注目してみます。
ドルの金利が上がる(=日米の金利差が大きくなる)とどうなるでしょうか。
例えば5%→10%に上がると、ドル預金で1年後に得られるお金は、110ドルです。
すると先物価格Fは、①の式から、110×F=10,100
答えはF=91.81円
例えば5%→10%に上がると、ドル預金で1年後に得られるお金は、110ドルです。
すると先物価格Fは、①の式から、110×F=10,100
答えはF=91.81円
米国の金利が5%から10%に上昇すると、先物価格は1ドル96.19円から、91.81円になった。
すると、投資家はどう動くか。
先物で円売りドル買い予約(=1年後に91.81円を1ドルに替える)をする人が増えるはずです。
なぜなら、1年後に直物が1ドル95円になっていたら、
すると、投資家はどう動くか。
先物で円売りドル買い予約(=1年後に91.81円を1ドルに替える)をする人が増えるはずです。
なぜなら、1年後に直物が1ドル95円になっていたら、
先物予約していたので91.81円払って1ドルを受け取り、その1ドルをすぐさま直物で95円に替えれば、95-91.81=3.19円儲かりますからね。
1年後に直物が1ドル91.81円以上だと利益を出せるのです。
先物が96.19円の時より、91.81円の方が1年後に儲ける確率は高くなるはずですね。
つまり、日米金利差が大きくなると、先物で「円売りドル買い」予約に動く人が多くなるのです。将来儲ける可能性に賭けていのですね。
さて、新聞記事が先物を絡めて読めるようになりましたね。もう1度読んでみましょう。
米長期金利が低下し日米の金利差が縮小するとの観測から、円買い・ドル売りが優勢になった。
先物が96.19円の時より、91.81円の方が1年後に儲ける確率は高くなるはずですね。
つまり、日米金利差が大きくなると、先物で「円売りドル買い」予約に動く人が多くなるのです。将来儲ける可能性に賭けていのですね。
さて、新聞記事が先物を絡めて読めるようになりましたね。もう1度読んでみましょう。
米長期金利が低下し日米の金利差が縮小するとの観測から、円買い・ドル売りが優勢になった。
先ほどの逆です。ドルの金利が下がる(日米金利差が小さくなる)と、先ほどの戦略「先物の円売りドル買い」で1年後に儲ける確率は低くなる。だから投資家は先物で「円買いドル売り」に動く。
さらに先物価格は、先ほど言ったように、直物価格と密接に連動するのです。(★の所です。)
つまり先物で円買いドル売りに動く人が増えて先物が円高になると、直物も円高になります。先物が直物を引っ張ることもある、ということです。
こうして、「日米金利差縮小で円高へ」となるのです。