色んな事がありながらも、やっと自分たちで決めた入籍日がやってきた。
その日は朝から些細な事で言い合いになっていた。
本当に些細な事なので、内容も思い出せないくらいくだらない事だったと思う。
お互い不機嫌なまま役所へ向かう。
事前に準備しておいた婚姻届けを提出した。
無言で。
役所を出た瞬間、私は今までの姓から先輩の姓に変わったんだ、そう思った。
自分の旧姓には愛着があり、綺麗な苗字だねと褒められることも多かった姓から、平凡な先輩の姓に変わったことは少し寂しかった(いや、本当はだいぶ嫌だった)
気まずいまま歩く私に先輩が言った。
「結婚・・・したな、同じ苗字になったな」
うん・・・と答えた私に、恥ずかしいな、なんか・・・と先輩が続け、そのまま私たちの朝のケンカはどこかへ流れた。
流れた瞬間、先輩のお嫁さんになれたことがとてもうれしくなった。(苗字は嫌だったが)