介護のために
地元に戻ったけど
どうしても
あなたと一緒に生きる道を諦められない
だから
家族会議で
気持ちをみんなに伝えた
母を地元の施設に申し込みして
入所したら東京戻りたい
だけど
時期はいつになるかわからない
見通しは立たないけど
待っててもらえないか?
ここに帰って来たいんだ
そう伝えた
どうして憎まれ口叩かずに
素直にそう言わなかったんだよ
そう言いながら
わたしを抱きしめた
拭いても拭いても
涙が出てくる
その時は
気が付かなかったの
母のこと
なんとかしなきゃって
そればかりで
視野が狭くなってた
やっと
自分視点で見てた世界を
あなた視点で見る事が出来て
待たせてるのはわたしだって
気がついたんだ
ぜーんぶ
わたしの身内の都合なのに
それが正義だと振りかざして
わかってくれない
傍に来てくれない
あなたを責めてばかりだった
なのに
わたしが決断した選択を
あなたは
1度も責めたことがなかった
どんなに
悲しくて寂しい想いをさせてたんだろうって
今更ながら気が付いた
離れてしまったのは
わたしなのに
好きで離れたんじゃない
どれもこれも
義務感からで
心から
山形に帰りたかったわけじゃない
マンションも売りたくなかった
何より
あなたと一緒にいたかった
そんな気持ちを伝えた
俺は
俺が出来る精一杯のことをしていたつもりだった
仕事も忙しかったし
すぐに傍に行ってあげれない
それなら
尻叩いてあげることしか出来ないと思った
なのに
離婚しなきゃ良かったって言われて
もう
これ以上俺がかおりにしてあげられることは
ないと思ったんだ
悲しみと怒りしかなかった
そう気持ちを教えてくれた
わたしは
かおりの気持ちがわからない
その覚悟でそっちに行ったんだから
毅然と対応しなきゃいけないんじゃないか?
そう言われて
どん底でパニックになってる中
突き放されたような気持ちになったの
あーーー
また支えてくれないんだって
絶望したの
別れた夫は
寄り添う人だったから
無意識に比べてしまってたんだと思う
そういうパートナーシップしか知らなかったから
それが当たり前だと思ってた
わたしたちは
コミュニケーション不足で
相手の言動を自分の価値観で捉えちゃう
どうしてそう言うの?
そんなことを聞く余裕もなかった
あなたを傷つけてしまって
ごめんなさい
かおりの気持ちを聞けて良かった
伝わったよ
話し合うことって
大事なんだなって気が付いたよ
そう決着ついた
そして
22歳の彼女のこと
気にしないふりをしたけど
悲しくて涙が出てくる
何が悲しいのか?
若い子になんて敵わない
わたしが彼にとって
1番可愛い子だったのに
もう1番じゃなくなってしまった
そんな絶望の悲しみ
悲しくて傷ついた
わたしが
他の男性に目がいかないのと同じように
彼も
他の女性に目がいくわけない
そう勝手に思い込んでた
見た目がタイプだった
非常にも
彼はそう言った
なら
尚更
わたしじゃ敵わない
わたしのこと忘れてたの?
思わず聞いてしまった
忘れようとしてた
彼女のことは少し好きだなと思った
だけど
かおりへの当てつけもあったと思う
俺だって
若い子と付き合えるんだって
アクセサリー感覚だった
虚しさはあったよね
重たい口を開いて
話してくれた
もう傷つきたくないこと
もう悲しい思いはしたくないこと
大切にして欲しいこと
守って欲しいこと
手を離そうとしないで
わたしはわたしで
ショックを受けた気持ちを話した