空






時々、何かを決意した時に、その決意は試される時がある。

例えば、明日からダイエットする!完食を一切しない!

と決めた途端、非常に魅力的なケーキバイキングの

タダ券をもらったから一緒に行こうと友人に誘われたりする。





また、今日からもう怒るのをやめる、

と決めた途端、夫が午前様での帰宅、

さらに、女性の香水の香りをさせての帰宅。

あなたの怒りはMAXになりそうになる。





何も、決めた時にそういうことが起きなくてもいいのに・・・

と思うわけだが、時々、あなたの決意はそんな風に試される。





私も似たようなことが幾度となく起きたことがある。

今から10年前くらいの話・・・

私がこのブログをはじめる前の年のことだ。





もう、人に振り回される生き方をやめよう!

行きたくもない飲み会、おもしろくもないのに無理に笑うこと、

忙しいのに人からのお願いを引き受けてしまうことなど・・・

嫌なら、すぐに断ろう!と決意した夜があった。





その翌朝、一人の年配の女性から電話が来る。

その女性は70歳くらいの女性で、私は彼女のしつこさに

非常に困っていた。近所の人だが、一回車に乗せてあげたら

そのあと、やたら利用されるようになった。





もちろん、お世話になった時もあった。

風邪を引いて動けなかった時の差し入れはありがたかった。

しかし、彼女との付き合いは、自分にとって苦痛以外の何者でもなかった。

そして、私の身の回りの人の中では一番手強い相手でもあった。

彼女には、断りがきかないのである。ハッキリクッキリ断ってもだ。





ある時など、娘の服のおさがりをあげると言ってきた。

「今、服の処分をしていて服を増やさないようにしていて・・・」

なんて具合に断る。好みでもない古い服なんていらない。

しかし彼女は断っているにも関わらず、

「処分していたならちょうどいいじゃない?

しかも、これ高かったのよ。あなたに似合うわ~」と言われ、

大きな紙袋二つ家に持ってきた時にはめまいがした。

着れるものがない・・・





そして、次に会うと、あの服どうだった?とか

あれ?着ていないの?とか、とにかくつらかった。





さて、嫌なことは断ろう!と決意した翌朝に

その女性からきた電話の内容はこうだった。

「薫さん、今日土曜日だから仕事休みよね?

お昼ご飯、うちで食べてって。手作り餃子にするから。

娘や孫たちも来るし、○○ちゃんも呼んだから来てね」





彼女の場合は誘うとき、「来れる?」とかじゃない。

最初から選択の余地がない「来てね」だ。

しかも、昼から餃子ときたもんだ。無謀すぎる・・・

彼女の誘いはいつもこうだ。





私は、昨日の自分の決意を思い出した。

「断れる自分になろう」もう、こりごりだ。

彼女の家に行ったら時間通りになんて帰れない。

もしくは、買い物してきてとか、たんまり用事を頼まれる。

彼女といると、自分の時間が奪われるのだ。

そして、おもしろくもない話を延々と聞かされる。

笑いたくもないのに、笑ってあげている優しい自分にももう飽きた。

飽きたどころじゃない。こんな自分が大大大嫌いなのだ。





私は昨日の決意を思い出し、速攻断る口実を見つけて言った。

「ごめんなさい。行けないです。急に仕事が入り、

昼は急いで食べて、すぐに会社に行かなければならなくなったんで。

それにお客様に行かなきゃならないので、餃子は匂うのでちょっと・・・」





やばい・・・餃子に意識を向けてしまった。

「行けない」だけにしておけばよかった・・・

と思いきや彼女もまたすかさずこういった。





「大丈夫よ~ん。うちの餃子匂わないから。

それに、フリスク食べれば大丈夫だから」と

彼女は、フリスクフリークなのだ。

いつも食事の後、「はい、フリスク」と言って一粒くれる。

「口臭はマナー違反」と言うのがクチグセだ。





いつもの私なら、「はぁ~、そうですか・・・」と言って行くことになる。

しかし、この度はそうするわけにはいかない。私は決意したのだ。

そしてはっきりと言った。





「でも、時間がどう考えてもないので、

今回は遠慮しておきます。ありがとうございました!」

二度目の断りである。結構強めの口調でハッキリ言えた。

コレで大丈夫!と心の中で小さなガッツポーズをして、

切ろうとしたその瞬間、





「すぐ食べて、すぐ行けばいいじゃない?

だってお昼は自分の家でも食べるでしょ?

うちで食べたらすぐ会社行けばいいのよ~」と。





すごい論理だ。確かにそうだ。家でもご飯は食べる。

しかし、彼女が時間にルーズなのはもう重々知っている。

呼ばれた時間に行って、その時間にご飯を食べれたことは一度もない!

一度もだ!大抵、1時間後にご飯ははじまる。

それでどれだけこれまでイライラしてきたか・・・





私は負けずに、しかし、ご年配者への優しさという調味料も忘れずに、

「Nさんちに行くと、のんびりしたくなって

仕事行きたくなくなりますので、また今度にしますね。

時間がないので、切りますね。では~」





のんびりしたくなって・・・うん。優しい。

でも、裏目に出るかな?裏目に出ようが切りますね、で

分かってくれたに違いない、と自分に言い聞かせたが、

彼女の頭の回転は非常に早い。ああいえば上祐である。





「短い時間でものんびりするのは必要!

食べてほんの少しくつろいで、午後からの仕事の

活力にしなさいね!じゃ、待ってるわね。(ガチャ!)」




ツー、

ツー、

ツー、

ツー、

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・





さ、さ、先に切られた・・・

言いたいことだけ言って、彼女は自ら切った・・・

嗚呼~・・・負けた。完敗。彼女の圧勝。

年の功には勝てないのか。





昨夜、あれほど強く決意したのに、

私の返事など気にせず、電話を切った・・・

すごい技だ・・・あのように断ればいいのだ。

彼女は非常に高いスキルを持っている。

断りを断る術(すべ)を知っているのだ。

彼女から学んだことは、「ごめんなさい。行けません。」ガチャ!だ。





話はまだ続く。きっと皆さんも餃子について興味があることだろう。

(え?ないの?)

で、言われた時間に彼女の家に行った。

案の定、餃子は出来ていなかった。そんなの最初から知っている。

時間通りに行って出来ていたことなど一度もなかったから。

餃子どころか、今回は、掃除機からはじまっていた。

もう、驚かない・・・いつものことだ。





孫に掃除機をかけさせていた。

自分の旦那に、テーブルのセッティングをさせていた。

自分の娘に餃子の種を作らせていた。

恐ろしいことに、私に小麦粉が入ったボールを渡してきた。

なんと、このたびは、皮の作成からだ・・・

もう、逆に笑った。皮作りからだ。

スーパーで売っているヤツでいいじゃんかよ!と思った。





「これ、練って。すぐ!すぐ!出来るから!

みんなでやらばすぐよぉ~ん♪それに皮作りと詰めるの、

みんなでやると楽しいわよぉ~ん♪るるる~♪」とか、

変なリズムを付けて歌いながら言ってくる。

ムカつく・・・





そして、小麦粉をこねながら、自分がなさけなくなった。

何度したら自分は学ぶのだろう。

断り切れない自分から卒業したんじゃなかったのか?

小麦粉練ってていいのか?今月ももう、20日にもなるのに、

1日たりとも休みをとっていないんだぞ?

小麦粉練っている暇があったら、家で寝てたい・・・





ブツブツ心の中で言いながら、小麦粉を練ってた。

そして、そのあとは、みんなで小麦粉丸めて、

餃子の皮作って、詰めて、焼き餃子水餃子と次々出てきた。





「12時に来てね。すぐ食べましょう」と言っていたけど、

食べれたのは、1時である・・・最初から知ってたけど・・・





さて、こんな独り言のような記事でも教訓に入る。





あなたの決意は試される。

それはまるで神様が、「その決意の度合い」を

調べるかのように、すぐに試される。





そして、くじけると、また似たようなことは続く。

しかし、その決意を突き通すと、もう、似たような試練は

なかなか起きなくなる。しかし、時々、「大丈夫かな?」と

神様は抜き打ちテストもしたりする。

先日のE5系の新幹線に乗りたかったのに断り切れず、

古いタイプのこまちに乗ってしまった私のように・・・

自信たっぷりに言われるとハイって言ってしまうもの





覚えておこう。

決意した途端試されることを。

だから、決意したあとにこう思おう。





「さて、神様はどうやって私を試すのかな?ドーン!と来い!」と。

次の日にやってくるのか?一週間後か?

いつ来てもいいように心構えをしておこう。





最後に、そういう断っても聞いてくれない相手はどうしたらいいのか?

と以前、数人から質問をもらったことがある。答えは超簡単。

無理して付き合う理由があるなら付き合ったらいいだろうし、

付き合って不快感極まりないなら、疎遠にすればいい。

ただそれだけ。シンプルに考えると簡単。





私の場合、疎遠を選んだ。

自分の中での結論が出たのでスッキリした。

そのうち引っ越したから、本当に文字通りの距離が出来て

今では一切縁が切れた。





人間関係でその人と付き合いを続けるかどうかのバロメーターは、

その人と一緒にいて、自分は心地よいか、自分らしくいられるかどうか、

ただそれだけである。無理し続けている自分がいるなら、

どんな意味があるだろうか?





簡単に縁を切ってはいけないと言う思い込み。

お年寄りには優しく、との思い込み。

お世話になったこともあるから、

ずっと恩返ししなければならないという思い込み。





そういう思い込みの中に、誰からかの刷り込みはないだろうか?

一般常識と言われている、捕らわれた情報はないだろうか?

ちょっとそんなことも考えてみるといい。



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昨日のFBの一こま。

昨日も寒くてストーブつけてました。

この位置の場合特等席はどっち?





モモ&マイケル






ストーブの真ん前の暖かいところか?

それとも、暖かさは少しだけどクッションの上か?

でも、何となく、マイケルのほうが態度がデカく見えるのは

気のせいではないと思う。ということで、また明日~。