実家に帰ったときに、母の食料品の買い物を手伝ったりする。

ま、年寄り一人で醤油やら油やらと色々と買うには重すぎるし。

母は買い物カートを押した方が、歩きやすいと言う事で、

(もう、見た目はすっかり腰も曲がった老人)

母がこれとか、あれ、と言った物を私がカートに入れていく。




今から9年ほど前に、大きな病気をしてから母は一気に老け込んだ。

闘病生活後は、一切髪を染めるのをやめたので、髪も真っ白だ。




外を一緒に歩いていると、母の知り合いらしき人が私を見て、

母に「お孫さんと一緒ですか?いいですね~」と言われ、

説明するのが面倒な母は、

「はい~、孫が買い物付き合ってくれるので助かっています」

とか言うものだから、私もつい「おばあちゃん、いこっ」とか言う。

ばーちゃんと孫ゴッコをして二人で笑うことがよくある。




母は病気をしたせいと、おしゃれに全く興味がないのが手伝って

普通よりもかなり年取って見える。私は普通よりもちょいと若く見えるで、

ゆえに、祖母と孫に見られる事はちょくちょくある。





すべてをかごに入れて精算の時、母は1万円札を私に渡し、

私がレジで精算するわけだが、私は、

「小銭も出したいから財布ごと頂戴」

と言って、精算しにいく。




手渡された財布は鉛でも入ってんじゃないの?

ってなくらい、非常に重い 。

すごく重い。びっくりするぐらい重い。




財布をあけてビックリ。この重さは小銭が原因。

小銭だけで何千円もあるのでは?というくらい小銭が貯まっている。




私は、レジに並んでいる間に、小銭を手の上に

100円、50円、10円、5円、1円とそろえておき、

ほぼ小銭入れをからっぽにして支払った。




後ろに別のお客さんが並んでいるが、一応うしろのお客さんに

「時間がかかってごめんなさい」と謝る。

「なんもなんも」と言いながら寛大に許してくれる。

そして店員にも「小銭ばっかでごめんなさい」と謝る。

店員は「逆に小銭不足なので助かります!」

と言ってくれたりする。田舎の人の優しさだ。




精算が終わり、私は母の元にいき、ちょっときつめに、

「なんで小銭を遣わないの!増えていくばかりで、

財布が重くなってしまうじゃん!」と。

母は・・・・・・




「小銭が取り出せなくなった」とポツリと言った。




最初、私は「ん?何で?」と思ったが、

そのあと、ハッとした。










母は、10年ほど前からリウマチになってしまい、

小さな手の動きが出来なくなった。布巾や雑巾を絞るとかの

動きもダメで、台ふきんなどはキュッって絞れていない。

実家の布巾はいつもちょっと水分多め。




母が小銭を遣わない理由。

スーパーなどでレジに並ぶと、よく老人が細かい小銭を出そうとして、

モタモタして後ろの人を待たせている様子を見た事があるかもしれない。

後ろに並んでいる人は、急いでいたりすると、イライラするかもしれない。




母は、自分が小銭を出すことで、後ろの人に迷惑をかけたくないし、

何しろ、スムースに小銭が取れないもどかしさがいやで、

すぐに札をそのまま遣い、細かいおつりが出たそれを

財布に入れっぱなしにしておくので、パンパンの

小銭がたくさん入った財布の出来上がり。




自分から見て他人の意味不明な行動であっても、

必ずやそれなりの納得できる理由があるものだ。




母のパンパンになった財布に対して、洞察力が働かず、

ちょっと強い口調で、責めてしまった事を反省した。

実家に帰るたびに、小銭をお札に変えてこようと思う。

プラスお小遣いを添えて。

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