前回設置した『同軸ケーブルを放射エレメントとした10MHz帯ダイポール・アンテナ』ですが、雷雨時に、宙吊り状態であった「チョーク・バランと5個のパッチンコア」の重みで、給電ケーブルがアンテナの根元で切れてしまいました。設置時、宙吊り状態を気にはしていたのですが。結局、10局程度QSOしただけでアンテナはお陀仏!!暑い中、苦労して上げたのに、トホホ!
 気を取り直し、週末に21MHz帯3段コーリニア・アンテナを上げることにしました。実は、以前、同じ構造のアンテナを上げていましたが、人工的なノイズ(近隣のエアコン?それとも怪電波。北東13kmに、イージツ艦に搭載されているイージツ・システムの開発社であるロッキード・マーチン社のイージツ・システム開発センターがあり、イージツ艦に搭載されいるのと同じ巨大なSPY-1レーダーのアンテナが研究・開発用として鎮座しています。Sバンドで最高出力4MW、平均出力64KW。近寄る無かれ!!)で18MHzと21MHz帯が使い物にならず、あきらめていました。ところが、最近調べた結果では大丈夫そうです。「ノイズ」がひどくなるようなら、また10MHzのアンテナを復活します。
 3段コーリニア・アンテナ(1/4 + 1/2 + 1/2波長)の製作記事の詳細は、古いブログを参考にして頂くこととして、まずは、1/4波長の同軸ケーブルの切り出しです。定石通り、計算値より少し長めにケーブルを切り、リアクタンスがゼロになる長さに切り込みました。ところが計算値(2.2m)よりもかなり長く(2.8m)なり、困り果てました。市販の50オームの同軸ケーブルには2種類あって、速度係数が65%程度と80%程度のものです。どうも後者の方を使った様で、全長11m程度の予定が14m程度になってしまい、最先端高が17mの予定ですから、給電部の地上高が6mだったのが、3mとなってしまいます。3mの地上高では、打ち上げ角がゼロから10度程度であるコーリニア・アンテナの利点を生かせません。しかし、他に同軸ケーブルの持ち合わせがなかったので、利得が落ちるものの、仕方なく、2段コーリニア・アンテナ(1/4 + 1/2波長)へと変更しました。1/2波長の同軸ケーブルの切り出しは、単純に1/4波長の同軸ケーブルの2倍長にしただけ。念のために、先端をショートしてリアクタンスがゼロであることをアンテナ・アナライザーでチェック。
 アンテナの全長8.5m、給電部の地上高8.5mです。いつものように、オープンの同軸ケーブルをCに、ショートした300オームのTVフィーダーをLとしたLCマッチングを採用し、SWRは21.08MHz(デジタルモード帯)で1.1でした。 ちなみに、コモンモード阻止(必須です!)のために入れてあった5個のパッチンコアの内、アンテナに近い2個のコアが割れていたので、新しいものと取り替えました。デジタルモードでパイルのときに200W程度出したことがあったのが原因でしょう。フレンドOM局から「かなり発熱しますヨ」と聞いていましたが、その通りです。給電部と5個のパッチンクランプの間に挿入している、同軸ケーブルを巻いて作ったチョークバラン(フロートバラン)の効きが甘いのかも知れません。強制バランを考えた方が良さそうです。
 さて、本題です。南米やEUを中心にPSK、RTTYやJT65モードでCQに応答するも全く取ってもらえず、落ち込んでいます。米国内とQSOするもレポートが相手局よりも劣ります(JT65モードの場合、RSTとして599などでなく、コンピュータが計測した『客観的』な信号強度をデシベル単位でリポート交換します)。別途設置している、同じアンテナ構造を持つ14MHz帯では全くそのような問題はないのですが。同じ構造のアンテナでもバンドによって「飛ぶ」、「飛ばない」があるのでしょうかね!まずは地上高の違いが思い当たりますが。アンテナの動作原理は、すでにブログで紹介したように、理解しているつもりなんですが、情けない! 議論・考察は、またの機会に。

<<2012年 6月29日作成掲示>> de WJ2T