バンコクはかなりムッとくる街だ。サイアムスクエアへ向かっていると、線香を押し付けてきて、“Buddha, Birthday!” と話すおばさん。まあいいかなと思って手に取ると、”100B!(500円寄越せ)”と手を出してくる。自分のお姉さんが東京で勉強しているという男性は、飲み物を飲もうと茶屋に連れていかれ、いろいろと話しかけられ、そのまま飲み物代も払わず出ていく。みんな、観光客をお金の対象にしか思っていない。特にサイアムスクエア周辺は人だらけでうんざりする。
バスに乗って、プーカオトンに行ってみる。小高い丘の上に建つChadi(仏塔)に登ることが出来て、展望が最高。バンコクの街が地平線の向こうまで広がっている。お坊さんがたくさんいるがみんなフレンドリーでやたら話しかける。しかも英語や日本語は上手い。
そこから、さらにチトラダ離宮に行く。塀に囲まれた壮大な宮殿で、要所要所に銃を持った兵士が護衛している。塀に沿って歩いて、Dozit Zooに入る。動物園好きとしては楽しいが、どの動物もエサをあげてもいいシステムらしく、人が来るたびにおねだりをする。最初は可愛いと思ったが、そのうち乞食みたいで嫌気がさしてきた。
夜になって、タイ式キックボクシングを見に、ルンピニスタジアムに行ってみる。入場料に130B(650円)もとられ、入念なボディチェックを受ける。スタジアムというが、木造のカジノ場みたいか感じで、既に満員のお客が入っていて、試合が始まっている。試合自体は、もうほとんど子供のケンカみたいな感じ。3分1ラウンド、5ラウンドで勝敗を決める。それが8試合ある。ピーヒャラーという変な笛の音とチントンシャンという鐘の音に合わせて、ボクサーが踊りながら入場するのが儀式らしい。ギャンブルのやり方がいまいち飲み込めなかったが、胴元というのはなく、近くの人同士で、赤パンツか青パンツかと掛け合うようだ。“サムローイ”と叫んで、相手を探すオジサンたち。徐々にヒートアップして全員総立ち、勝敗はKOシーンなどなく、全て判定なので、実にヤラセっぽい感じ。飲み物なんかも売っているが、冷やしたサトウキビが人気で、それを齧っては、ペッと床に吐き出す。だから床は齧ったサトウキビの繊維だらけ。せっかくだからと買ってみたが、繊維が硬く、歯が痛くなる。
ドミトリー(60B(300円)同室の日本人と仲良くなる。今朝パキスタンから来たというICUの学生さんが加わってパキスタンの話で盛り上がる。パキスタンは(みんな“パキ”と呼ぶ)はすごくよいところで、ちょっとしたスイスみたい感じで、気候もよく、モスクがきれいらしい。彼はこれからネパールのカトマンズに向かうらしい。横浜国立の薬学部の学生さんも加わって、あっという間に時間が過ぎていく。なんとか話を切り上げて、駅に向かう。今日は、思い切って、ビーチリゾートに向かうことにしていた。
目的地は、バンコクから近いコサメット(サメット島)だ。バスターミナルから4時間。バンペーで船に乗り換え、島まで送ってもらう。今夜は、AowWongDoanに泊まる予定で歩いていくが、既に18時を過ぎて、どこのバンガローも満室で、しかたなく港近くのAowPaiに戻る。すっかり暗くなっていて、100Bとふっかけられたが根負けして泊まることとなる。
朝起きてからすぐに新しい安い宿探しに出かけるが、どこも満室。空いていても100Bのようだ。“地球の歩き方”には30~50Bと書かれてあるが、近年の人気に値上がりしているようだ。歩き回って、70B(350円)のAoiPoiHatに泊まる。バスタオル70B、南国パンツ60Bと出費は痛いが、リゾート満喫には仕方ない。あとは海水浴と日光浴。照り付ける太陽と輝く白い砂浜。風が強く波も高いが、トップレスも欧米人も多く、目の保養にもいい。タイの女の子も多いが、みんな服をきたまま泳いでいる。16時くらいまで浜辺でくつろいで、冷水シャワーで体を冷やす。そして洒落たレストランで、冷たいビールを飲む。レストランには簡易図書館があり、“トークレディオ”を読みふける。この度に、星新一のSFショートを持ってきていたが、もう既に3,4回読んで飽きていて、簡易図書館に寄贈する。タイカレーを食べて、バンガローに戻る。背中が日焼けで痛い。波の音が響き、また読書する。最高の一日だ。
朝起きて砂浜を散歩する。昨夜来の“トークレディオ”を面白く読む。背中と肩がヒリヒリと痛い。浜は誰もおらず、時々カニが顔を出すような静かな朝の風景。バンガローに戻り、ひと泳ぎしたところで、雨に降られ、再び読書。11時過ぎてから、レストランに行き、朝昼兼用で、炒飯とコーラを摂りながら、2時間ほど読書する。午後は、水中メガネを借りて岩場でダイブする。魚がすこしばかり。雨がぱらついてきて、蚊も多く、すぐにバンガローに戻り、昼寝と読書。19時になって再びレストランに行き、ウイスキーとサラダをオーダーする。その後、カレーを食べる。テレビで映画を見ていると、大阪のおっちゃんが話しかけてきた。女と酒があるところを探して、ここにたどり着いたらしい。この辺に買えるような女の子はいませんよと伝えたら、そのまま酒の席に付き合ってくれ、いろいろと話す。結局22時半まで宴会して寝る。
昨夜飲みすぎたせいで、起床が遅い。今日はボートトリップツアーに参加する予定だったが、外は強い雨で、だらだらと過ごす。10時頃、雨が上がって、トラベルサービスに行ってみたが、誰もおらず、ツアー申込は終了したらしい。荷物をまとめてバンコクに帰ることとする。
20時頃バンコクに戻り、屋台で肉団子入りのバミーナムを食べる。実に美味い。いつもTTゲストハウスに行くと、パキ帰りのICU学生が今夜日本に戻るらしく、また話が盛り上がる。22時半頃、土砂降りの中、学生さんを見送る。バングラディシュ帰りの別の学生さんが話しかけてきて、また遅くまで話し込む。
適当に探し出したTTゲストハウスだったけど、個室で500円、ドミトリーで300円と値段も安く、すっかりバンコクの定宿になった。最初、ベルギー女性の怪しい雰囲気に翻弄されてしまったが、それ以外にもいろんな国の人がいて、日本人も多く、いろんな人たちが出入りしていて、話を始めると飽きることがない。本当に楽しかった。
翌朝、プラトウーナム市場とスワンパッカード宮殿に行ってみる。行くまでは死ぬほど暑かったが、宮殿内は涼しくて庭がきれいで、床が美しい木目でしっとりとした静けさに包まれている。思わず横になって昼寝する。また雨が強くなってきて本格的に寝る。
起きてチャイナタウンに向かう。お盆で休んでいる店が多いが、人出は多い。カニ入り炒飯が上手い。どろぼう市場で、ずっと気になっていたタイの歌謡曲のテープを買う。ラジオなどでよく耳にする流行っている曲らしいが、タイトルがわからず、うろ覚えに適当に歌うとわかってくれた。腹がへって、さらにエビ入り炒飯とエビの塩焼きを食べる。

