タイ東北部の街、コーンケーンに朝5時に着く。腹の調子は良い。うまく薬が効いてくれたらしい。怪しい女医さんだったが腕は確からしい。朝早くだから、まず市場に行く。朝からすごい活気。市場は、イサーン(タイ東北部)らしく、魚が多い。しかも生きた魚で、タライの中でピチピチとはねていて、時々道端のほうに飛び出して、お店の人が慌てている。ドジョウ、ナマズ、ウナギ、ヒラメなど沢山。メダカみたいな小魚もバケツ1杯に泳いている。グロテスクなものはカエル。タライの中に何百匹と蠢いている。それからカメも。近くで、串焼きも売っているが、トリなのかカエルなのか不明。今夜は奮発して、コーンケーンキングホテルに泊まる。やはりベッドが気持ちよく、ぐっすりと寝る。
昼頃に起きて、コーンケーン大学に行ってみる。バスの車掌に、“University”の英語が通じず、そもそも全く英語が通じず苦労するが、車内にたまたま英語を話せるお客さんがいて助かる。大学はものすごく大きくて、正門から建物が見えない。構内には牛が沢山いる。ミニバスが走っていて、適当に乗って、学内巡りをするが、もの凄い暑さだ。真上にギラギラと太陽が照っている。図書館を見つけ、入る。冷房が効いていて、1時間ほど休む。学生が多く、ちゃんと勉強している。近くに大学生協みたいな店があり、コーラと揚げ菓子を食べながら、ミニバスに乗って戻る。帰ってシャワーを浴びて夕食。それから映画を見に行く。20B(100円)で、20時開始。女の子の工作隊みたいな中国映画で、言葉はわからないが面白かった。その後、日活の文字とともに、なんと日本のポルノ映画が始まった。こんな田舎で日本のポルノを見せられるとはびっくりで、少し腹がたった。途中で退出する。しかし館内が、満席だった。
外では、すごい音量で音楽をずっと流していて、全く眠れない。夜中1時に見に行くと、1台のミユージックボックスが置かれて、周りで、若者が数人で踊っている。結局朝まで大音量の音楽が続いて、ほとんど眠れず。
朝から次の目的地、コーラート行のバス(39B)に乗る。バスの中に沢山のヒヨコが詰まれていて、ほこりっぽい。窓からは、イサーンの赤茶けた大地が広がって見える。途中のバス停では、沢山の物売りが車内にやってくる。トリの丸焼き、串焼き、飲み物といった類から、時計・サングラス・アクセサリー類まで売ってくる。前と横となりにきた家族は、まさにイサーンの貧しい家族といった風体で、顔も服も泥だらけ。その一家が鳥の丸焼きともち米団子を食べ始める。その泥だらけの手で食べている。そして油で濡れた手をバスの窓ガラスにぬじりつけていた。すごいと思った。
3時間半かけて、コーラートに着く。バミーヤムで昼食をとり、ピマーイ行のバス(14B)に乗る。今夜はピマーイホテルだ。7階建ての大きなホテルだけどエレベーターがない。501号室まで登る。共同シャワー、共同トイレだが、シャワーが出なくて、タライに水を汲んで、体にかけるだけ。一休みしてから、ピマーイ遺跡に向かう。この遺跡が本当に素晴らしかった。ここまで沢山の寺院・遺跡を見たが、格が違いすぎる。クメール建築・ヒンドゥー寺院の頂点ではないか。美しい回廊、細かなクメール文様、宇宙の図の彫刻。時の栄華を強く感じる。これでもスコータイより歴史が古いらしい。スコータイのような赤石ではなく、大理石に近いので、きめ細やかな彫刻が施され、しっかり残っている。回廊に座って、プラーンのスケッチを始める。その大きさに比して、細かな彫刻が施されている。出口が4か所あるが、全て異なる彫刻がなされ、架空の動物、ドラゴン、人魚、象、猿、馬などが描かれている。ブッダを中心としたワンパターンな物語と違い、ヒンドゥーらしい様々な登場人物とエピソードがあるらしい。夜になり、ホテル横の食堂で、カオ・パッを2杯も食べた。食欲もすっかり戻ってきた。食堂のお姉さんが可愛くてやさしい。英語はあまり話せないが、一緒に食事しながら盛り上がる。お姉さんのバミーヘンを少し分けてもらう。
ホテルは、夜になっても明かりがつかず、真っ暗。非常灯すらない。どうやら5階には他に誰も泊っている人もいないらしい。真っ暗の中、トレイに行くのも怖い。まるで幽霊ホテルのようで、誰かが入ってくるんじゃないかと思い始めると眠れなくなる。
朝起きて、サイガーム公園へ徒歩で向かう。サイガームは異形なる植物という名で、英語ではGolden Fig、学名はFicus Benjamina Linn。沢山の木が生えているが、上でつながっている。中央部に太い幹があって、そこから気根を沢山張り巡らせるらしい。川の色は、濃緑色。チャオプラヤの泥色、メコンの赤銅色、そしてピマーイの緑色。抹茶羊羹みたいな色である。帰り、ピマーイ国立博物館を見つめて入ってみる。昨日感激したプラーンの詳細な模型図があって、コピーしたいくらいだった。
ホテル横の食堂に入る。昨夜の可愛い店員さんがいて、“Good Morning”と笑いかける。サムロのおばさんがやたらうるさくしゃべりかけるが、帰り際に“You, You, She said ‘I Like You’”と言われ、お互いに恥ずかしそうに笑いあう。いやあ可愛い。ピマーイよ、さらば。
コーラート経由で、バスでバンコクに向かう。3時間半の予定だが、バンコク近くになるとすごい渋滞で、5時間以上かかった。しかも、途中からすごい雷雨となる。ピカ!ドカーンをひたすら繰り返す。雷嫌いにはかなりつらい。とにかくバンバン光りまくって肝が冷えた。
バンコクはとにかく人人人。今夜泊まる予定のゲストハウスに近いマレーシアホテルに向かう。道すがら、フィンランド人ペアと出会い、話ながら向かう。アユタヤの帰りらしい。背の高い理知的な青年と、小柄でくしゃくしゃパーマとマル眼鏡でちゃらんぽらんな感じの漫才コンビで見ていて面白い。
