我が家の出来事で、知ってる人な知ってる話。

何度か話をしたこと、ありますね。








ある日、近くの寺に頂いた、何気ない札を、魔除けとして、玄関先に塩とともに貼ったことがありました。



それは、直ぐに起こったのです。



それは、一家団欒中の出来事。
リビングで、家族と話をしたり、テレビを見たり、至って普通の日常。




家族全員が、気になっていた事があったのです。


なんか、さっきから、耳鳴りが酷くない?


父も母も、妹も、わたしも、気になっていました。



電化製品から出てるのかな?
それにしても、耳鳴りが酷い。これは、身体を突き抜ける…


と、言うよりは




自分たちの身体から聞こえて来るようでした。





「耳が痛くて、腹がたつ」



怒りっぽい父が、不機嫌な表情で言いました。





わたしも、正直良い気分ではありませんでした。



すると。





玄関の『扉』が、ガタガタと、誰かに叩かれるような、激しい音とともに、揺れたのです。



あまりに突然で、家族揃って玄関に駆け寄りました。



風…って訳でもないな。

父が、玄関を押さえます。


「どこのどいつだ!!」

父の、やんちゃ時代の性格が表れ、玄関を開けますが。


力自慢の父でも、腰に力が入るほどの勢いでなければ、開かなかったらしいのです。



開け放たれた玄関は、音をたてるのを辞め、あたりを静寂が包んでいきます。

滴る、水に濡れた玄関の取っ手。



父の苛立つ表情が、見なくてもわかる。
父が、手についた水をはらいます。




でも、それで終わりではなかったのです。





ガタガタ!



まただ。




ガタガタ!


まただ。





ガタガタ!



今日も?






それは、不定期ですが、確実に家の玄関を揺らしていたのです。
おかしい、魔除けが役にたってない。




あまりに激しいため、近所の寺の協力のもと、家族を祓っていただきました。


これで、安心。




家族からは安堵の表情。
父の、ぶつけようのない怒りも、収まりました。




ですが、気づいたのです。





玄関が揺さぶられる度



玄関の扉が、水に濡れていた。




そういえば、父も、手についた水をはらってたのを見たな。




外からはべつになにも…。





あ。




そうか。

家族も気づいていたんでしょうね。
みんなで、顔を見合わせて、少し苦笑い。




外からじゃない。

はじめから、




家の、中だったんだ。






妹が、玄関の内側を指さし、口を開きます。





「ずっと、『その』女の人、怒ってる」









妹が言うには、夜の玄関に



顔が見えないけど、女の人が、居たようなのです。



口を大きく開いて、玄関をたたく、女の人。







何らかの原因で、我が家から出れなくなっていたようだ…








迷わず、『魔除け』を剥がしました。




それからと言うもの、あの玄関は静かなままです。






妹は言います








『もう、怒ってないよ』







まだ






居るみたいです














お風呂での、お話です。
とは言っても、コレは体験談ですが、少し趣旨が違います。

霊的なお話では、ないかもしれません。






浴室にて、髪を洗っている時のこと。




髪を洗う時、泡が目に入らないよう、目を閉じる。



もちろん、何も見えない中、手探りで物を探す。
だけど、それほど苦はないこと。

入りなれた浴室であれば、大抵の物を記憶を頼りに探り当てることは出来る。





そんな中




ガタッ




と、浴室の出入口のスライドドアが少し開いた。


気圧変化で、浴室のスライドドアが開く事は、珍しくない。




慣れた手つきで、パタリと閉める。




髪を濯ごうとする。




ガタリ



また、開いた。



慣れた手つきで、パタリと閉める。





ガタリ



また開いた。




もう、面倒。




そんな時、何となく、想像してしまうこと、ない?




誰かが、開けている…?



まさかぁ。
そんなわけない。
うっすら目を開けるけど、誰も居ないもの。


居ない居ない。



でも、想像はとまらない。
気になって仕方がない。



髪などを洗っている時、目を閉じている時。


そして、そこが、浴室である時。



なぜ、こうも想像してしまうのだろう。






気を晴らすため、今一度、見てみよう。



手早く髪を洗い流すと、曇りガラスのスライドドアを見る。




ほら、何もない。
うっすら開いてるだけ。




深呼吸の流れで見上げる。





天井付近、ドアの隙間




大きな




顔が


見おろしていた










想像の果てに見たもの



それは、何にでも、化けるものだ。





みなさん、浴室で目を閉じる時は
十分注意してくださいね。
高校一年生の頃のお話です。



夏の風物詩、花火。



毎年、必ず、友達、後輩と集まり、夏の暑さを楽しんでいました。



この日も、変わらず楽しんでいました。




この時集まった場所が

川沿いの、土手の下。
長い間使われず、廃場し寂れた工場の跡地。

日が暮れると、まるっきり人通りもなく


一本の、古びた外灯が、淡く照らす。




そんな、小さな工場跡地。


男女、7人の気の触れた、仲間たち。




雑草が自由に育ち、工場が使われていた当時の砂利道も、元の形がわからない。



ショートパンツをはいてきた事を、すこし後悔する。




蚊を払いのけつつ、友達との夏を楽しんでいました。





燃える火薬の臭いが、鼻を突き、夏の虫たちが、草むらで鳴く。





一時間ほど遊んだだろうか。



花火の燃えカスを片付けながら、友達との会話に華を咲かせていた。


疲れは、隠せない。




そろそろ、帰ろう。



みんな、意見は合った。




だけど、一人、辺りを気にする。






「なんか、さっきから、足音…する」





え…



みんな、笑った。




私達、歩き回ってるもん。

ほら。




足下の砂利が、草をならし、互いにぶつかり合う。

ジャリジャリという、音。




だけど、その子は、なにか疑問に感じてるみたいだ。






「違うんだよね…なんか、足を引きずるような…こう」




ズシャ…



その子は、靴の底で砂利を転がした。





ズシャ…。



ズシャ…。




何を言ってるんだろ。



ズシャ…。




もう分かったから、やらなくていいよ。




「え、やってないけど…」





ズシャ…。





全員、合図も無しに、寂れた工場に目をむけた。





ズシャ…。



聞こえた。




近くもなく、遠くもない。


ハッキリとした場所はわからない。


ただ、聞こえてくる方向はわかる。




工場の方だった。







みんな、少し慌てながら、自転車に駆け寄り、またがる。





直ぐにその場を後にした。




逃げるように。






土手の道は暗い。
予想以上に暗い。



仲間たちから、付かず離れず、でも、見える距離で自転車を走らせる。




しばらく走ってると、


その子が口をひらいた。




「なんだったんだろうね?」




わかんないけど、はやく帰ろ。







「ねえ、全員いるよね?」



え?どうしたの?


1,2,3,…7。


うん、全員いるよ?







「…わたし、誰と二人のり、してるの?」