久しぶりの記事です

なかなか治らないキャブですが。
まだ治ってません

とりあえず、キャブの件はまたそのうち書きます。
というわけで、今回はフューエルタンクの洗浄について書きたいと思います。
ZZR-400N1は1993年のバイクなので、今年で20歳。
前オーナーがフューエルタンクの交換や錆落としなどのメンテナンスをやっていない場合は、恐らく錆が出ているだろうと考えられます。
【用意するもの】
11060-1337 フューエルゲージ ガスケット
92190-1332 フューエルチューブ (ノーマル側)
92190-1333 フューエルチューブ (リザーブ側)
ガソリン携行缶(10ℓもしくは20ℓのもの)
内径7.5mmのビニールチューブ
花咲かG (タンククリーナー)
空きペットボトル(2リットルが望ましいです)
2リットル以上の大きめのタッパー
キッチンペーパー
ビニールテープ
※ZZR-400はリザーブまで含めると18ℓ入りますので、ガソリン携行缶は20ℓがお勧めです。
※ビニールチューブはホームセンターで買えます。
フューエルタンク裏に伸びているチューブも今まで交換したことがなければ、この機会に替えておいた方が良いです。
ガソリン全抜きして裏返す機会なんてそうそうないですからね

これらのチューブが裂けると内部のガソリンが全て漏れますが、一度メンテナンス中にやったことがあります。
(多分、降ろしたときに気付かぬうちに負荷がかかっていたのが原因だと思います)
振り向いたらガソリンが「ぴゅーぴゅー」噴き出してたら焦りますよ~

(めちゃめちゃ焦りましたw)
さて、フューエルタンク洗浄の話題に入ります。
■ガソリンを全抜き
当然ですが、内部を洗浄する前にガソリンを抜きます。
この場合、タンクを降ろす前にガソリンを抜いてしまった方が作業性は高いですよ。
① フューエルコックを 「OFF」 にする
② ポンプに繋がっているチューブ(コック左上)を外す。
③ 内径7.5mmのビニールチューブをコックに接続して、端をガソリン携行缶に入れる。
④ フューエルコックを「RES(リザーブ)」にして、ガソリンを全て携行缶に移す。
RESでガソリンが出なくなっても、振ると中で「ちゃぽちゃぽ」音がしている場合があります。
が、これはガソリンではなく「錆を含んだ水」である可能性が高いので、現時点では抜かずに放置しておきましょう。
■フューエルタンクの取り外し
取り外し方法はこちらを参照してください。
取り外したフューエルタンク。
最低でも10時間以上の作業になるので、自宅ベランダなどで作業できるとベストです。
■パーツ取り外し
フューエルタンクを降ろしたら、次に洗浄に際して邪魔なパーツを取り外します。
フューエルコックは内部には直接干渉していないので、放置でOKです。
外すパーツは以下の通り。
・給油口のカバー
まずは赤丸のネジを外します。
六角レンチがあればOKです。
このあと、給油口を開くと内部にネジがあるので、そちらも外します。
この赤丸部分のネジ。これを外すと、給油口が外れます。
外した給油口。
裏側が汚れていたら洗浄してあげましょう。
(ただし、裏側はゴムなのでゴムへの攻撃性を持つパークリなどは使わないように)
フューエルタンク本体側。
給油口付近も錆びてます

後で、ここも錆落とししなきゃ。
■フューエルゲージ取り外し
タンク裏側にあるフューエルゲージを取り外します。
これは 8mmのレンチで外せます。
まずは裏返したところ。
立てかける場合は、タンクに傷が付かないように養生しましょう。
赤丸の六角ネジを6本外します。
写真では、うっかり写真撮る前に外しちゃいました。
フューエルタンク本体側

フューエルゲージ。
トイレの洗浄タンクと同じ仕組みですね。
フロートの上下具合でガソリン量を測定する仕組みです。
フューエルゲージのガスケット面。
これも、タンク洗浄時には交換必須です。
しかも錆が凄い・・・しっかり洗浄してあげましょう。
ガスケットはこれを使います。
フューエルゲージを外すと、これで内部に残っている「ちゃぽちゃぽ音」の正体にご対面することが出来ます。
まずは、タンクを揺さぶってフューエルゲージの穴から、ちゃぽちゃぽいってる液体のを出してあげましょう。
出した液体はタッパーへ。
地面(写真の場合はベランダですが)に落とすと環境に悪いので、撒き散らさないように注意しましょう。
この茶色の液体は全てフューエルタンクから出てきました。
RESのフィルタより下に溜まっている液体ですが。
ガソリン臭が全くしないので、恐らく「錆を含んだ水」なんでしょうね。
振っても音がしなくなるまで出してやったら、フューエルゲージの穴からLEDライトで中を照らしてみましょう。
こんな状態です。
想像以上に錆でした・・・(汗)
これを、可能な限り綺麗な状態に戻してやります。
ZZR-400のフューエルタンクってもう新品は流通してないんですよね。
Kawasakiのパーツオーダーのサイトでも、これは「販売終了」となっていました。
なので、大事に使いましょう。
穴が空いたら補修して、錆が浮いたら洗浄して。
基本的に「捨てる」という選択肢は無くなりましたw
■内部洗浄
タンク内部の洗浄の工程については写真撮れていません。
(写真撮ってる余裕ありませんでした)
作業は単純で、台所用の中性洗剤を入れて、50℃くらいのお湯で洗ってやるだけです。
風呂場で、シャワーヘッドを取ってお湯を流し込んでやると作業効率が上がります。
①タンク内に台所用の中性洗剤を入れる
②50℃くらいのお湯を 2~3リットルくらい入れて振ります
③お湯を入れ替えて、また振ります
④何回か入れ替えて振ったら、今度は泡が出なくなるまでお湯を流し続けます
(このとき、お湯をタンク前・後部に方向を変えて勢いよく出してやると錆も取れて良いです)
この①~④の工程を 2~3回繰り返します。
錆が酷いと、シャッフルしてお湯を抜くたびに錆などの鉄粉が出てくるんですが、そのうち出なくなるので地道に振りまくりましょう。
あ、あと熱湯はあまりタンクに優しくないので使わないようにって何かに書いてありました。
50~60℃くらいが適温なんだそうです。
お湯での洗浄が終わったら完全乾燥させます。
お湯を全部出し終えたらタンク内部をLEDライトで照らしてやり、RESより下に溜まっている水分をキッチンペーパーで吸いだしてやると乾くの早いです。
キッチンペーパーをタンク内に入れる場合は、こんな工具があると便利です。
手元のレバーを操作すると、こんな風にアームが出て獲物を捕まえます(笑)
この先にキッチンペーパーを丸めたものを付けてやります。
ホームセンターや2りんかんなどでも売ってます。
■防水処理
いよいよ本格的な内部洗浄に入りますが、その前に穴という穴を塞ぎます。
塞ぐ穴は全部で5箇所。
・給油口
シャッフルする時に空いていると気を使いますが、それだけです。
ここは基本的に空いていても問題ありません。
・フューエルチューブが繋がっている場所
裏側に2つ、ノーマルとリザーブのガソリン排出口があります。
最初は、ビニールテープで止めていたんですが。
これだと、漏れました。
もっと頑丈にすれば漏れないかもしれませんが、もっと楽で確実な方法がありました。
こんな感じ。
ゴミになったフューエルチューブを 3cmくらいの長さにカットして、ビニテで蓋をします。
このとき、ビニテ貼る側は粘土や液ガスなどで塞いでやると確実に漏れを防げます。
フューエルゲージの穴はこんな風に塞ぎました。
が、やはりここも漏れました

しかも、この部分の漏れに気付いたのはタンク内を洗浄液で満たした後でした。
なので引き返せず、漏れる早さと洗浄が終わる時間の戦いみたいになってました。
ビニールテープで塞ぐのは無茶なのでやめましょう。
他の人の記事を見ているとゴムで塞いだとか色々ありますが、穴が楕円なのでゴムなどで塞ぐのはちょっと難しいですよね。
今になって思うのは、いっそフューエルゲージをここに戻すべきだったと思います。
(フューエルゲージの金具も錆びてたから、その錆落としも兼ねられるし)
錆落としには、ケミカルを使います。
海外製品も多数あるようですが、今回は国内製品のメジャーどころ。
「花咲かG タンク・クリーナー」を使用します。
1リットルの容器で20倍に薄めてとあります。
ZZR-400のフューエルタンクは18リットルなので、これで充分足ります。
ただ、洗浄用に全部使ってしまうのではなく、コーティング用にも残しておく必要があるので、原液で 100ccほど別容器(ペットボトル等)に移しておきましょう。
タンクの完全乾燥を確認したら、まずはタンクをまっすぐな状態に固定します。
この状態が基本になります。
①給油口から水を5~6リットルほど入れます
②花咲かGを半分ほど(分量は適当)流し込みます
③タンク前面を持って軽く上下に揺すり、花咲かGと水を混ぜ合わせます
④水を更に5~6リットル入れます
⑤花咲かGを残り全部流し込みます
⑥タンク前面を持って軽く上下に揺すり、花咲かGと水を混ぜ合わせます
⑦満タンになるまで水を入れて、上下に揺すって混ぜ合わせます
いい感じに混ざったと(なんとなく)感じたら、この状態で 5~10時間放置します。
時間に幅があるのは、錆の状態によって効果が出る時間に差があるからです。
「一晩寝かす」くらいの気持ちでいた方が間違いないと思います。
ああ、そうそう。
花咲かGの説明書には、「液がタンクにかからないように」と書いてあります。
なので、給油口から入れる際に少し工夫しました。
携行缶の口を使ってやれば簡単に入れられたとは思いますが、ガソリンが混ざると嫌だったので、ペットボトルで自作しました。
こんな感じです。
ちょっと判り辛いですが、底の方をカットしてあります。
そして 10時間後。
今回のタンク洗浄では完全に穴を防げずに液漏れがあったので、どこまで洗浄できるか心配でしたが、10時間後はまだギリギリ錆が見えていた部分が浸っているくらいは残っていました。
洗浄が終わったら捨てます。
花咲かGは、そのまま捨ててもOKらしいので、そのまま捨てちゃいました。
「ガソリンや錆が混ざっていると地球にダメージを与える可能性があります」という注意書きもありましたが、ガソリンは事前に洗浄していますし、錆は台所の三角コーナーに入れるネットをフィルタ代わりに使ってやると、ある程度は濾してやることができます。
ちなみに、花咲かGは再利用ができるので、20リットル近くの洗浄液を保管しておける人は、ポリタンクなどを用意してとっておくと良いでしょう。
うちは、そこまで洗浄の頻度が高くないことと、ポリタンクを保管しておく場所が無かったので素直に捨てました。
洗浄後の状態。
完全に綺麗・・・・とはいきませんが、少なくとも錆は取れました。
洗浄液を捨てたら、再度お湯で洗ってやります。
洗い方は、前述の方法でOKです。
再び完全乾燥させたら最初にとっておいた100ccの原液を使います。
再度この状態に設置します。
①水を2リットルほど入れます
②花咲かGの原液100ccを入れます
まっすぐ持ち上げて、よく振ります。
振るときは「強く」ではなく「ゆっくり、まんべんなく行き渡らせる」ことを意識しましょう。
よく振ったら洗浄液を捨てて、完全乾燥してから組み上げて完了です。
ちなみに、退避しておいたガソリンは実装前に戻してやった方が楽ですよ。
※ガソリンを戻す前に、念のためコックの位置を確認しておきましょう。
抜いた時に「RES」にしたままになっているかもしれません。
とりあえず、フューエルタンクの洗浄・錆抜きはこれで完了です。
かかった金額は、花咲かGが約4,000円、ガスケット類が約1,000円、チューブが2本で約1,500円、その他(タッパーなど)は100均で買ってきたものなので全部で500円くらい。
ということは、洗浄・錆取りコースで7000円くらいでした。
なかなか安くはならないものですね
