前回からの続きで、「北海道電力」を一例として今後を考察。 

 

ディフェンシブセクターと言われていた「電力株」が、データセンターや半導体工場の建設が相次ぎ、大手電力各社の株価は年初から2~3倍に急騰したが・・・

 

「北海道電力」の株価は5週連続の陰線。

 

「北海道電力」の急騰理由は、

「ラピダス」がフル稼働すると、北海道の電力需要の1/3と言われ、泊原発の再稼働なしには賄えないとの見方。

・泊原発は再稼働申請から11年が経過するも原子力規制委員会で審査は継続中。

 

【信用買い残の推移】

株価が急伸した4月中旬に買い残は増え、下落の始まった4月末から大幅に増える。

 

 

【信用買残】

返済期限(6ヶ月)のある制度信用買い残62%で、将来の下落要因となる。

 

信用倍率は4%程度で高いとは言えないが、下落局面に出来高を伴って増加し、信用二階建て

 

【価格帯別出来高】

出来高の多い価格帯は、大半が現在の株価より上に位置し、株価の上値は重いと考える。

 

【機関の空売り状況】

「モルガン・スタンレーMUFG」「Barclays Capital Securities」「GOLDMAN SACHS」の3社。

「モルガン・スタンレーMUFG」は、押したり引いたり絶妙なさじ加減。

 

【今後を考察】

真の下落理由は不明だが、

現状の「再稼働も見通せない」状況では、「幻想買い」のバブルで反転しても短期間と考える。

①電力需要が増えれば莫大な投資が必要で、長期金利の上昇が重荷となる。

・九州電力は、原発の安全投資に移行債300億円発行。

②能登半島地震で原発不信は更に高まり、原発の再稼働は容易ではない。

 

となれば、原発再稼動による収益改善期待が見込める3社は、反転の可能性も高いが材料出尽くしの可能性もあり・・・

◎原発の稼働率が約8割に上昇した「九州電力」

〇今年9月ごろの再稼働に向けた準備を進める「東北電力」

・再稼働により通年で800億円程度の収益改善。

△安全対策工事が長期化し、 再稼働が今年12月に延期した「中国電力」

・再稼働により通年で250億円程度の収益改善。

 

 私的には、

原発の再稼働だけではなく、新たな原発の建設まで考える状況となれば、株価は青天井かも知れないが、所詮は「公益株」で価格設定を含め政府の規制が多く、収益の拡大は限られることから、上記3社と「沖縄電力」をお遊び程度でイン予定だが、旬の短い「テーマ株」と考え長居は無用。

・信用倍率186倍の沖電は、セリングクライマックスが必要かも?