「できた~☆」
 
もう時間は7時を過ぎていた。
 
「よぉ頑張ったな。
約束通り送ったげよか」
 
「わーい♪ありがとです♪」
 
「あ、その前に…」
 
そう言って先生は机の下にケータイを出してきた。
 
「赤外線受信して」
 
ん??画像でもくれるのかな。よく分からないけど受信画面を出す
 
受信完了
 
送られてきたものをみると、先生のアドだった。
 
「へ!?先せ…」
 
「僕からはメールしないから。したかったら送ってきて」
 
「ぇっと、ぇとぇと。受験の質問とかすればいいってことですかね?」
 
「Nさんやっぱ天然やな(笑)そんなん来ても返さんわw」
 
まだ状況がうまくつかめない私。
 
「じゃあ車とってくるから、学校のうらで待ってて」
 
「…りょーかいデス」
 
 
一旦先生とバイバイした。
 
一人で学校のうらに向かいながら、私の頭の中はずっと混乱しっぱなし。
 
別に、先生は私のことなんて何とも思ってないよね?
 
ただの生徒だよね?
じゃあなんでアドレスを…
 
いくら考えても分かるはずもなく。。
 
 
 
待ち合わせ場所でぼーっとしていると、T先生が高級車に乗って現れた
 
「えっ、先生ってお金持ち!?」
 
「いや普通やろ(笑)
独身は金かからへんの」
 
「それにしてもこの車
私でも知ってますよ♪
てか、T先生の助手席に
座ったなんてバレたら
みんなに殺されます!」
 
「なんでー?」
 
「だってT先生はモテモテじゃないですか…
みんな言ってます。」
 
「別にモテてへんしw
まずモテるって…何なん?
どーゆう状態をいうの?」
 
「ん…そう言われると」
 
「やろ??それに僕は
追いかけられるんは好きじゃないからなあ」
 
「あーそんな感じします。。」
 
「そーゆうNさんこそ
彼氏おるんやろ?」
 
「前いないって言ったじゃないですかあ(>_<)」
 
「またまたぁ」
 
「嘘じゃないですー!
あ、てゆーか先生、お腹すきました♪」
 
「え、じゃあ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…ご飯でも行く?」
 
 
「え!?ほんとに!?
冗談で言ったのに…
先生やっさしww笑」
 
「はいはい…みんなには内緒やで?」
 
「分かってますよぉ!」
 
 
きっとこの日がきっかけだった
 
私たちの運命を大きく変えた日。
だけどこの時はまだ、そんなこと考えてもみなかったんだ。
 
こんなに、好きになるなんて
こんなに、本気になるなんて…
 
 
 
一瞬、自分の耳を疑った。
 
「あのー…つかぬことを
ウカガイマスガ。。
先生はよく生徒を送ったり
するんですか?」
 
「はっ?んなわけないやん!
めんどくさいし、そんな
教師おらんやろっ!」
 
じゃあ、なんで???
…あ 分かった!
 
「勉強頑張ってるから
ですかっ?♪」
 
「そんなんゆーたら
もう一個上のクラスなんか
もっとしてるわ…」
 
「あそっか、、じゃあ
余計分かんないですっ」
 
「え~なんでやろなあ。
自分でも分からへんけど。
まあ、Nさんは僕の
"癒し系"やからかな」
 
癒し系ーー!?
 
そそ、そーなの!?
あのT先生がこんなこと
言うなんて…
ついつい顔が赤くなる。。
 
みんなが知ったら絶対羨ましがるだろーなあ。よし、めんどくさいから黙っとこ!(笑)
 
「じゃあ、集中してな」
 
そう言ってT先生は笑った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…『集中してな』とは言ったものの…正面に座っているT先生は、邪魔ばかりしてくる。
 
「先生邪魔しないでよー!!」
 
「いやいや。受験で隣りに座ったやつが邪魔してくるかもしれへんやろ?」
 
「されるわけないし!!
意味分かんないです(笑)」
 
…ま、面白いからいいけど♪
 
てゆーか、T先生ってこんなにSだったっけ?不覚にもちょっとキュンてしちゃったかも…
 
 
いや、ないないないない!
一瞬だけ浮かんだ気持ちを自分でかき消した。
 
 
 
 
 
放課後になって、私はすぐにT先生のところに行った。
 
「Tせーんせっ♪」
 
「あ、はいこれ問題。今からまだ1時間授業せなあかんくて…これそっちの部屋で解いといて?」
 
 
そう言い残して課題を渡すと、T先生は急いで授業のある教室に行ってしまった。
 
私は言われた通り、一人で「特別教室」に向かう。ここは面談用の個室で、普段はめったに人が使わないのだ。
 
特別教室のイスに腰を下ろし
「ふぅ…やろっかな」
そう思い、今さっきもらった問題を見た瞬間、その量の多さに呆然とした。
こ、これをやれとっ???絶対今日中とか、終わらないよ!
もともと英語嫌いの私にはつらすぎる。
あぁでも、私がお願いしたんだし…
そう思ってしぶしぶ取りかかった。
 
 
 
 
 
 
 
*1時間後*
 
T先生が帰ってきた。
 
「どう?進んだ?…って
全然進んでへんやん!」
 
「一応やってみましたけど
この問題難しすぎです(泣)」
 
「どこが分からへんの?
ちゃんと教えてあげるから。
…せやなー、今から頑張って
これ全部終わったら…」
 
「終わったら!?♪」
 
「家まで車で送ってあげるわ」
 
 
 
 
…ん?
 
 
 
 
 
 
 
 
いま、なんて?
 
 
 
 
 
 
 
送るって
 
 
 
 
 
えぇええぇええ!?