--10分後--
 
「全然心こもってへんやろ…」
 
「はい!?めっちゃこめてるのに…気持ち良くないですか?」
 
「うーんあんまり。」
 
「こんな一生懸命なのにー…」
 
「うそうそ。まあ気持ちいいかな。マッサージしてくれるならいつでも来ていいで。」
 
「ほんとに!?でもそれってマッサージの人が欲しいだけなんじゃ…?」
 
そうかもな、と先生は笑った。やっぱ私のことはそーゆう認識なのかな…
ちょっとだけ悲しくなる。
 
「…もうマッサージ疲れました。私も寝ます!」
 
カーペットの、先生が寝ている横に私も寝転んだ。
 
「疲れるん早っ!」
 
先生は、寝返りをうって私に背を向けた。目の前に先生の背中がある。
この状況で寝ようという気にもなれず、ぼーっとそれを見つめていた。
すると突然先生が
 
「手出して」
 
…手?
寝転んだまま後ろから手を伸ばす。
先生にその手をぎゅっ、と握られた。
 
(!!!)
 
「もうちょっと近付いて」
 
先生がその手を引っ張るから、背中に密着していて私が後ろから抱きしめている状態。
 
「ん…恥ずかしいです…」
 
ドキドキドキドキドキドキ
 
「Nさんの心臓の音、めっちゃ聞こえる。」
 
「仕方ないじゃないですかぁ…先生はドキドキしてないんですか?」
 
「そりゃしてるよ。ほんま、まさか自分の生徒とこんな…ヤバいなあ」
 
「バレたら終わりですね。」
 
…ん?会話しながらおもむろに、先生がおなかをこちょこちょしてきた。
 
身動きがとれないこの状況で!!!
 
「きゃっ やだあ!!!先生!!!おなか弱いから無理…って…やんっ ほ、ほんとやめてください~っ(泣)」
 
「そういう反応見せられると…」
 
…え。なんか。S心に火つけちゃった!?
 
「ひゃあぁっ…ん」
 
「もうNさんは…くすぐってるだけなのに、エロい声出して。」
 
「そんなんじゃない…です。せ、せんせ…なに言って…!!!あんっ」
 
はぁー。抵抗できない…てゆーか、この人。こちょこちょうまくないか!?もしかしてものすごいテク持ってたりして…
なんて考えている余裕もくれないまま、お腹・背中をつつーっとなでるよーに触れられる。それがほんっとにくすぐったい!!!
 
「も、助けて…ギブギブ!!」
 
「ギブとかないで~。頑張って耐えんと。」
 
このドSが…
 
今度は私が先生に背を向けている形になる。今度は、首。首の辺りと背中を一緒にこちょばしてくる。
あ…死んじゃう…。めちゃくちゃ意識なくなりそうな時、やっと先生はやめてくれた。
 
「先生ってば…ほんと酷い!!」
 
「ごめんごめん。でもそれって、くすぐったいのが嫌だったん?そういう行為をされるのが嫌だったん?」
 
「…くすぐったい方?」
 
「じゃあ、やめるわけにはいかんなあ♪」
 
「え、ぁ、ちょっ!!!いやあ~っ」
 
「うそうそ。もうせぇへんって。Nさんほんまおもろいわ。」
 
全っ然おもろくないです。
 
いまは2人とも座って、先生が私を後ろからぎゅって抱きしめている状態。
 
「昔な、高校生ん時に友達と、ブラ何秒で外せるかってよく競ってたんよ」
 
「面白いことしますねぇ。でも男子が外すのって難しくないですか?」
 
「最初はな。しかも片手でやから。でもコツつかんだら0.1秒くらい。」
 
「えぇっ0.1秒!?って有り得なくないですか??」
 
「じゃあ試してみる?」
 
 
…試す?なにを?
 
私の頭がまだ完全に理解し終わる前に、先生がブラに触った。
 
 
「おじゃましまーす。わあ~T先生の部屋だっ。写メったら高く売れそう…
 
「ケータイが逆パカされてもいいならな♪」
 
「うそです冗談です!!!」
 
「ほんまに撮るなよー?飲み物は紅茶でいい?」
 
「あ、はい。何でも。」
 
先生は台所の方に行ってしまった。
一人になって、改めて部屋の中を見渡してみる。一人暮らしだから普通のレオパな感じ。てゆーか意外と部屋汚いし♪
そんなことを考えながら内心面白がっていると
 
「あんま見んといて~。はい、お茶どうぞ」
 
「ありがとうございます。」
 
なんか、知れば知るほど先生のギャップって面白い。
 
「あ~やばい体中痛いわ」
 
「お仕事疲れですか?今日もご馳走になったし、マッサージしてあげましょうか。」
 
「うん。よろしく頼むわあ」
 
先生はうつぶせに寝転んだ。
 
最初は、その横にひざをついてマッサージしてたけど、これじゃうまく力入らない…
うーんどうしよ、と思っていると
 
「それじゃ力入らへんやろ??こっちきてっ」
 
(グイッ)
 
引っ張られて、うつぶせになっている先生の腰の辺りに、私が馬乗りの状態。
 
(わ、わわっ!!!!)
 
恥ずかしい!!!けど先生は何も思ってないっぽい。まあいっか…
開き直ってマッサージを続けた。
 
 
ランチを終えて、時間は2時を過ぎていた。
 
「あれ?先生、学校戻らなくていいんですか?」
 
「あぁ。今日はもう休みもらったから、大丈夫」
 
「!?」
 
もしかして、私のために有休使ってくれたの??
 
「なんか。。ちっとも知らなくてすみません…」
 
「いやいやw有休なんか使うためにあるんやから。気にせんでええわ」
 
気にせんでって言われてもなぁ…
 
先生はしばらく車を走らせ、景色のいい高台に連れて行ってくれた。
 
「うわ~キレイ!!!」
 
外に出ると、そこから見える景色は一面海だった。
 
「やろ?一人のときたまに来るねん」
 
「大阪の人なのによくこんな穴場知ってますね~」
 
「まぁ休みの日とか暇やからな♪じゃあ、行こか」
 
「えっ もう!?」
 
「や、だってここ何もないし。どこ行きたい?どこでも連れてくよ」
 
「じゃあT先生の家がいいです」
 
「!。。絶対いや^^」
 
「えーなんでですか;;」
 
「家は絶対入れへん♪」
 
「どこでもって言ったくせに(-_-#)」
 
しばらくは、行く宛もなくドライブした。その間、先生が学生の頃の話、大阪にいた時のこと、学校では聞けない話をたくさん聞いた。
 
「若い頃そんなにやんちゃだったんですか…」
 
「まあな☆あ、ちょっと荷物だけ置きに戻っていい?」
 
「あ、はいっ」
 
車が先生のアパートに着いた。
だめって言われたけど…先生の部屋見たいなあ。。こんなチャンスもうないかも(>_<)よし、ここは思い切って。。えいっ
 
「じゃあここで少しだけ待…って、ちょっ!!!なに降りてんのっ!!!」
 
「先生の部屋見たいですっ」
 
「いや見たいですって…別に何もあらへんし;;
…~もぉ仕方ないなあ」
 
「やった^^」
 
 
こうして、何も考えていない私は、何のためらいもなく家の中に入ってしまった。