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けっきょく、バスは6時間45分遅れで岡山駅に着きました。タハッ!

でもまあおかげで、「水木しげる魂の漫画展」岡山シティミュージアム(〜9/3)を堪能できました!

今回松山市〜道後温泉に行こうと思ったのは山口晃さんの道後アート2016(2016年から会期が伸びて8/31までやってくれるのでありがたい)が目的なんですが、

山口晃さんも水木しげるが好きなので、きっとこのスゴロクでええだわ。

少し前にロケ帰りに神奈川県立近代美術館葉山で、萬鐵五郎展を見てきたのですが、そこで鎌田紀子さんに初めてお会いしまして、

2013年の妖怪イヤーを思い出したわけです。

2013、妖怪の夏!!


妖怪展鬼と妖怪そしてゲゲゲ

 三井記念美術館

2013年76日(土)~91日(日)




福岡市博物館所蔵 幽霊・妖怪画大全集 

そごう美術館 (横浜そごう)

2013年7月27日(土)〜9月1日(日)




日本の「妖怪」を追え! 横須賀美術館

2013年7月13日(土)〜9月1日(日)



トドメが、大阪・天保山


GeGeGe水木しげるの妖怪楽園 


2013年6月29日(土)〜9月1日(日)



なにか華々しく妖怪だった。


さらに遠野ふるさとジンギスカンマラソンを走って鬼太郎達が背中を押してくれるのを感じた…遠野は水木先生が妖気を感じられる土地だったので、特別な感じがあるです。


夏に妖怪や幽霊画の展示があるのは風物詩ですが、この時は水木しげるツアーみたいな感じで渡り歩いた。


というような私なので、


呼んでくれた。


のだと思います。長距離バスの遅れはお盆のラッシュじゃなくて、妖怪たちが総がかりでバスを引き止めていたからだと思う方が人生楽しいですよね。


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この展覧会は、

水木しげる先生の波乱万丈の人生を、弁士坂本頼光さんが語る人生紙芝居がよかった。

水木先生のマンガもエッセイも好きずいぶん読んでいるので、ほとんどのエピソード、絵に見覚えがあるのですが、坂本頼光さんの声を聞きながら、水木先生の紙芝居時代を思うこともできました。

また、今回の展覧会に寄せて、水木先生のお嬢さんでもある、水木プロダクション代表取締役 原口尚子さんが、

「色彩の美しさ」に特に言及し、それが紙芝居時代からの染め粉によるものだと初めて知りました。「ゲゲゲの女房」のドラマを見ていた人は知っていたのかな。

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ドラマの小道具に染め粉を溶かしてつぎ続けたヨーグルトの瓶(が、クッキーの缶にセットされたもの)が出てきたそうなので…。私も布枝さんの書いた『ゲゲゲの女房』はすごくすきなんですが、テレビは当時家にあったかな。なにかスミマセン。

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水木先生の子ども時代、天才少年あらわる!と新聞記事にもなった油彩画の展覧会を行なった時の絵も展示されていたり、二十代に描きためていた童話の挿絵も、武蔵野美術学校時代の裸婦デッサン(今回初めて見ました)も、よかった。

また水木先生をめぐる人々、アシスタントや編集者の証言というより水木先生を懐かしみ、敬愛するまなざしにふれられたのもよかったです。


会場に紙芝居(もちろん紙芝居の舞台にアニメーションが流れるのですが)とテレビ(モニターと言うのでしょうがテレビといった方がぴったりする)があったのは、
 
南方の戦場から復員し、すきな絵で生きていくために紙芝居の絵を描き、質札が束になるような赤貧からテレビの仕事でやっとヒットして売れっ子になった水木先生の漫画家人生のキーになるものだったと言うのもあるのでは。

当時22、3歳の若いアシスタントだった池上遼一さんが水木先生の絵は定規を一切使わない、

効果線も雲形定規でなくフリーハンドでやると言うことを実際に自身も手を動かして語っておられた。

例えば机を描くのに線をとじないで、少しあけておくことで鬼太郎の世界の空気が出る…。




チーフアシスタントの村澤昌夫さんは40年間水木先生を支え続けた方で、心なしかお顔も水木先生の若い頃の笑顔に似ていました。水木先生が色を得意としていたことを会場のテレビの中で語ってくれたのですが、

記念に買った図録の中ではさらにその色彩を支えているのは確かなデッサン力だと具体的に若い日の絵について分析しています。



(とにかく図録は買うことにしている。

収入が少ない時はお金、使いすぎかな?と一瞬怯みもするが、本やたべものに使ったお金はいつもそれ以上に私を豊かにしてくれるのでいいのだ。

ちなみに服やアクセサリーや生命保険や個人年金にはお金を極力かけたくない)

絵画の上手さが土台になっていると。

目玉親父を描いて、線だけで量感質感をあらわす上手さについても語っておられ、それも興味深かったです。

生来の絵の上手さ、色彩感覚。

最後に今回初公開された2000年代に描かれた「虫の絵本」があって、晩年に至って二十代の頃描いたような世界が息づいていた水木先生の稀有な才能と心の在り方に打たれた。

『水木しげる魂の漫画展』図録にはこの「虫の絵本」が特別付録として入っていて、判型も大きく見応えがあります。

ではでは。