遠野市民センターの界隈には、遠野市立博物館(行かなかったー)をはじめとして、
ミュージアムがいっぱい。
遠野まちなかギャラリーも遠野市立博物館の所蔵作品である、著名な漫画家の方々の
遠野物語にちなんだ色紙の展示をしていて感嘆したのですが、
そこから徒歩1分ほどでこの遠野蔵の道ギャラリーがお目見えします。
ひそかに遠野の倉敷美観地区と名付けましたよ。
遠野市立博物館の分館というのは帰ってから知りました。
なにも予備知識なしに入って、お宝と遭遇、はいつもの私のパターンです。
本来の使い方ではなかったそうですが、「犬も歩けば棒に当たる」、
いまや主流となった、犬のようなものでも出歩けばラッキーにあたるものだ、
の歩く用例のような私です。
数々の展示の中で一瞬、えええーーー!と思ったのがこちらの掛け軸。
ガラス越しですが、そばにあった絵の解説を読んで驚く私。
「寒山拾得之大横物」
遠野南部家伝来品。
日本画の岸派の創始者・岸駒(がんく)の子・岸岱(がんたい)の作である。
え!!
ちょっとちょっとそれ、3日前に仙台市博物館の「近江巡礼展」で見てきた
あの岸岱さんですか?
岸岱の虎さん。
それこそ絵を縄できりきりと縛っておかなきゃ飛び出しそう。
飼い猫をモデルにした同時代の絵師たちとはちがう、
このリアリティは中国から虎の頭蓋骨を取り寄せたり、はては前脚の骨も
取り寄せて研究した成果であるらしいです。
こちらはお父さんの岸駒さんの屏風でして、
「若冲が来てくれました展」で私ははじめて岸駒の名前を知ったのですが、
立て続けだったので、その子岸岱もくっきり印象に焼き付きましたとも。
ほんの2,3年前までは日本画はよくわからないから、と敬遠していた私ですが、
最近はおもしろいなあと思うのは日本画だったりします。
江戸琳派の美術展からすこしずつ幅が広がってきて、水墨画もいいなあと
思うようになりました。
そう思っているせいか、こういう偶然がよく起こる気がします。
やっぱりなんでも最初は、すきだなあ、という共感がだいじですねー。
遠野蔵の道ギャラリーはこじんまりとしていますが、落ち着いたいい雰囲気のミュージアムでした。