LOVE展、よかったー。見逃さずに済んでよかった!
森美術館10周年記念記念展アートにみる愛のかたち シャガールから草間彌生、初音ミクまでという長めの副題どおり、
初音ミクも草間彌生も見応えがあったのですが、部屋をまるまる使った大きな作品もさることながら、
写真の力って大きいなあと思いました。
折元立身の「アート・ママ+息子」。
お母さんはアルツハイマーとうつ病を患っていて、介護生活そのものをユーモアと力強さのある作品にしています。
映像作品ではベートーヴェンの「運命」に合わせてお母さんの頭をくしゃくしゃにして、スキンシップに溺れているようでもあり、冷静な目でお母さんの心と体を解きほぐそうとしているようでもありました。
こちらも写真作品です。
猫が宙を舞っていますが、もちろん「空飛び猫」などではなく、アルコール依存性のお父さんの日々を撮った作品です。
LOVE展では白い天井の高い壁に、細めのプロポーションの明朝体で、
愛についての文学者、画家などの言葉がエピグラムとして記されています。まるで空に描かれた言葉のようでもあり、それ自体もアートなのですが、
この「家族と愛」のコーナーにはジェイン・オースティンの「どの家族にも秘密がある」という言葉がありました。
アルコール依存性、息子を愛で縛りつけようとするママ(ビデオ作品で、これもおもしろかった)、アルツハイマーの母親と息子、
どんな家族の写真でも作品でも重苦しさはなく、それぞれの愛の形に触れた思いです。
重苦しさがナマのまま出ていたらそれは作品ではないのかもしれません。でもわからない。ナマのまま打ち出す作品もあるのかもしれない。
ただこのLOVE展では作品として昇華されていて、リアルでありながらナマではなかった、そんな気がします。
一方、思わず笑顔になってしまったのが「浅田家」。
実際の家族である「浅田家」があるときは「選挙」、
あるときは「ラーメン屋」、
そしてまたあるときは「4レンジャー」
「ヤクザ」などと一家でそのテーマを体現してしまうという作品です。
「お母さんがいいよねー」
とツインテール3人組がうれしそうに話していたのも印象的でした。
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