久しぶり映画館♪
「シネマ歌舞伎」を見にきていました。
「らくだ」は落語にもあるので、不思議な感じでした。
勘九郎さんの屑屋さんが、最初は遊び人の半次に圧倒されて小さくなっているのに、
勧められたお酒でどんどん気が大きくなり、半次がタジタジとなっていくところとか、
えーっ、歌舞伎ってこういうコメディもありなわけ?と目から鱗でした。
半次と屑屋のかけあいも可笑しかったけれど、
フグで中毒した「らくだ」の馬さんを背負ってのカンカンノウも傑作。
最初に死んだ馬さんを前に半次と相談していたお婆さんも、馬さんも、
志村けん。
を重ねずにはいられない。
志村けんがやるおばあちゃんやお母さんの表情や身振りがまるっきり、歌舞伎の女形というのはどういうことだ(笑)。
カンカンノウの、なにしろ死体だから生気のない踊りも、
志村けんがよくやる感じに似ていたなあ。
最後には死体が勝手に踊り出す悪ノリも志村けん的。
歌舞伎シネマでなぜ志村けんを連想するのか。
子どもの頃は加藤茶がすきなあまり、台頭してきた志村けんに人気をとられたみたいで、
志村けんが憎かった(笑)。
でもその後、いかりや長介さんの「ダメだこりゃ」を読んだりしているうちに、
志村けんって天才なんだなあと。
人を笑わせる間の取り方とか動きとか身振り・目つき、
そういうものの基本は歌舞伎もコントも同じなのかも~。
「らくだ」でお腹の皮がよじれたあと、「連獅子」。
衣装が目が覚めるように鮮やか!
音曲が中耳をキュイーーーーンと震わす感じも快感である。
踊りもおもしろかった。
私は正統派の歌舞伎はきっと退屈してしまうんだろうなあと思っていたんだけど、
これが言葉を失う世界でした。
きらびやかでワクワクする。もっと深いものがあるのかもしれないが、
ひたすら楽しかった。
クライマックスの連獅子の頭をぐるんぐるんぶん回す動きを見ながら、
車田正美の絵が浮かんできた…私だけでしょうか。
歌舞伎も伝統芸能でずっと続いてきたということは、
日本人一般の心を掴むものがあったからのはずで、
だんだん歌舞伎がわかってきたような気さえする図々しい私であった。
それにしても久しぶりに映画館にくると、こんなに映画が世の中には溢れていたんだ!とついチラシをもらっちゃいますね。
片付きかけたうちがまた荒れそうです…。
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