受け身の人生も悪くない〜水村美苗インタビュー(PHPスペシャル2月号) | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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水村美苗さんのインタビューに惹かれて購入。

水村美苗さんの「母の遺産」、おもしろかったなあ。

「本格小説」からファンになり、デビュー作の「續明暗」から、問題のお母様の著作(だけどそうとう水村さんが手を入れたもよう。「母の遺産」以上の苦労が偲ばれるのである)、日本語について書かれたエッセイなど、


本になったものはすべて読んでいるのですが、寡作な方なので…。

このインタビューでは「母の遺産」の中でも語られていた、父親の晩年の入院から亡くなるまでに満足なことを出来なかったという悔いと、

それでも、


「不当で報われない人生のなかにあって、ひ人は小説の中に夢や救いを見つけ出す」


人生はもともと不条理なもので、だからこそ文学があり、自分もこれからも小説を書こうと思えるのかもしれない、

とむすばれています。

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読売新聞土曜版に連載され、2012年5月に出版された「母の遺産ー新聞小説」(中央公論社)は主人公の美津紀(作者の分身的な設定)の身になれば、

よくもこれだけ、というほど惨憺たる憂鬱な出来事の連続なのだが、


それを読むことで救われる気持ちもあり、また、突き抜けたユーモアがあり、

どこまでも自分の贅沢とお洒落とちやほやされることにしか興味のない母親に、むしろもっとやってもっとやって、


と倒錯した感情を抱いてもしまう。

まだこれからも小説を読めるのだと思うとうれしいインタビューでした。




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