痛みは本人にしかわからない。 | 菅原初代オフィシャルブログ「魔女菅原のブログ」

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いじめ、という言い方がすでに隠蔽用語っぽいです。そう思いませんか。


大津市の中学生がいじめられて自殺した事件のその後はどうなったのかなあとふと思って。

よく、


自殺した子どもの家族や、

加害者の親、

加害者も苦しいんだとか、攻撃されて辛いんだ、家庭に問題があったんだ、


とかいう解説やしたり顔の分析を読むとムカつく。


ボキャブラリーの少ない子どもみたいな言い草で申し訳ない。


ムカつくのは、いじめられて苦しんで死を選んだ本人にしかその痛みはわからないと思うから。


私が強くそう思うのは、小学校時代の蟹事件デスよ。


うちの父は大工でして、建てているお家の方からいろいろもらってくることがあったんですが、


蟹もそうだったのじゃないかな。


生きた蟹をブリキのバケツでもらってきたんだと思う。


子どもはおもしろがってちょっかいを出し、おっちょこちょいの私がマンガみたいだが、蟹に指を挟まれまして。


これが息も止まるほどの痛さで、指を切断されるんじゃないかという恐怖もあって真っ青になったです。


父はお酒が入っているのでふだん以上に無責任にゲラゲラ笑っているし、弟も父と仲良しなので笑っている。

母も最初は、あらまあまあ、というだけで、私の痛みも恐怖もおなじ場所にいながら誰もわかってくれない、助けてくれない、

と思って痛みとおなじくらい深い絶望で目の前が暗くなった。


そのうち、蟹も挟んでいるのに疲れたのか、すーぅと圧力が弱くなった。

あ、助かる!


と思ったところで母が、

「いつまでやっているの!早くとりなさい!」


と私の手首をつかんで激しくゆさぶったんです!


せっかく取れそうだった蟹のハサミはまたさらに強烈に締め付けられ、

事情を説明したくても、呼吸が止まりそうな痛みに耐えるのがやっとで、

またハサミが緩くなるのを待つしか…。


が、そこでまた母が手をとって揺さぶる。

母は私が指にわざと蟹をくっつけて巫山戯ていると思っていたらしいですが、


痛みで苦しんでいる顔がわからなかったんでしょうか。わからないんでしょうね、だって痛いのは本人だけだもん!



最後には母を片腕で制止して、なんとか蟹のハサミから逃れたのですが、


痛みが落ち着いてから母に事情を話しても、


悪気はなかったの一点張りでした。




これがいじめられているひとと、その周りのひとの関係です。


見えていても痛みは全然わかってもらえず、


何をふざけてるの、とまで言われてしまう。

そのあとで痛みを訴えても、だってこっちはわからなかった、と言われておしまい。


蟹に指を挟まれるという体験は、たしかに傍目にはマンガチックかもしれないが、

それを笑ってみていた父と弟と、さらに事態を悪化させた母。しかも全員家族で目の前でみていたのにこちらの辛さはわからなかった。



いじめ、


という言葉を耳にするたびに蟹に指を挟まれた小4の私に戻って暗澹たる気持ちになるのであります。



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