蛙グッズを集めている友達がいます。
どちらにも、えー、なんでそんなに?
という不思議な気持ちしかもしないのですが、
(グッズ集めの友達は、リアル蛙は苦手なのでますます解せない)
この詩の中の蛙はすきだ。
勘三さん 勘三さん
あぜ道で一服する勘三さん
ついでにキセルを掃除した
それから蛙を捕まえて
キセルのヤニをば丸薬にひねり
蛙の口に押し込んだ
迷惑したのは蛙である
田んぼの水に飛び込んだが
目玉を白黒させた末に
おのれの胃の腑を吐き出して
その裏返しになった胃を
田んぼの水で洗いだした
この洗濯がまた一苦労である
その手つきはあどけない
まず胃袋を両手に受け
揉むがごとくに拝むがごとく
おのれの胃の腑を洗うのだ
洗い終わると飲み込むのだ
( 「蛙」 「厄除詩集」井伏鱒二)

畑で蛙を見るたびに、
あどけない手つきで胃袋を洗う蛙を思い出してしまう。
ただそれだけのことなのですが、
書こうと思って、ずっと忘れていたので、すっきりした。
かなりすきな詩なのですが、
だれか絵本やマンガにしてないかなー。